Home / ブログ / 10歳からはじめる、愛犬の脳ケア|シニア犬の基礎知識

10歳からはじめる、愛犬の脳ケア|シニア犬の基礎知識

犬の認知症(認知機能障害)は10歳頃から発症し、12歳頃に急増するといわれています。

犬の認知症の発症年齢

10歳というと、「若い頃とあまり変わらないし、うちのこはまだまだ元気!」と思われる飼い主さんが多いかもしれません。

ただし認知症は、初期段階で見逃してしまいがちな病気のひとつです。

「あれ?様子がおかしいかも…」と思ったときには、症状が進んでしまっているケースも多いため、シニア期を迎えたら早めに予防や対策に取り組むことが重要です。

※大型犬は小型犬よりも加齢スピードがはやいため、8歳ごろから注意が必要です。

今回は脳機能について、また今日から簡単に取り入れられる脳ケアについて簡単にご紹介します。

 

脳機能が衰えるとみられる行動

脳の機能が衰えると、こんな様子がみられるようになります。

✅ ぼーっとする時間が増える

✅ 昼間に寝ている時間が増える

✅ 表情が変わらない、焦点が合わない

✅ 夜鳴きをする

✅ トイレの失敗が増える

✅ 壁やドアにぶつかる

✅ ウロウロと目的もなく歩く など

症状の現われかたは犬によってさまざまですが、最初は「歳を取ったからしょうがないかな?」と思われる行動からはじまり、少しずつ症状が悪化していくケースが多くあります。

 

脳機能が衰える原因のひとつ

脳機能が衰える原因はさまざまですが、脳の海馬という場所でニューロンという神経細胞が育ちにくくなることが大きな原因のひとつです。

ニューロンは学習や記憶に深く関わっていて、脳のなかで情報を受けとり次の細胞や器官へ情報を伝える役割があります。

ニューロンが育ちにくくなって相互に機能・連絡し合う能力を失った結果、脳機能の衰えとして認知症の症状が現れてきます。

 

脳ケアのポイントは「ニューロンへのアプローチ」

ニューロンを新しく生み出したり、成長しやすくしてあげることで、脳へ効果的にアプローチすることができます。

ニューロンへのアプローチ方法はさまざま!

身体の内外、両方からアプローチすると更に効率的です。

かんたんに取り組めるものをいくつかご紹介します。

 

【身体の外側からのアプローチ例】

✅ お散歩やおでかけ

お散歩は、脳へ適度な刺激をもたらしてくれます。

お散歩好きな犬であれば、「うれしい」「楽しい」といった感情の変化が起こるだけでも刺激になります。

認知症の老犬の治療方法

また外気に触れたり、家族以外の人や犬とのふれあいが起こることも良い刺激になります。

お散歩コースを変えてみたり、少し遠くのドッグランに行ってみたりと、身体に無理のない範囲で外出してみましょう。

 

✅ 知育おもちゃで遊ぶ

犬の高齢化が進み、脳トレグッズを取り扱うショップが増えています。

多くの脳トレグッズは、「ノーズワーク」と呼ばれる犬の嗅覚を使った本能を満たす遊びを元につくられています。

認知症の老犬の治療方法

ネット上で購入したり、手作りのアイディアもたくさん出ているのでぜひ一度調べてみましょう。

「歳をとって、おもちゃに興味がなくなっちゃって…」という場合でも、一番の好物をご褒美にすることで、愛犬と飼い主さんが一緒に楽しみながら取り組むことができますよ。

 

【身体の内側からのアプローチ例】

✅ サプリメントで栄養補給

フードだけで補いきれない栄養素は、手軽にサプリメントで補給しましょう。

認知症の老犬のためのサプリメント

10歳からはじめる認知機能の健康維持 トライザ

脳に良いシニア期のためのサプリメントはたくさん発売されていますが、愛犬の体調に合ったものを動物病院に相談してみると安心です。

認知症をはじめ、シニア期のさまざまな健康に役立つ成分が入っていると、オールインワン的に活用できるのでおすすめです。

 

ご紹介したアプローチ方法の他にも、脳ケアの方法はたくさんあります。

脳ケアは、なるべく早めの段階から日常的に取り組むことが大切です。

飼い主さんと愛犬が楽しく、手軽に続けられる方法を検討してみてくださいね

 

他の記事もぜひ参考にしてくださいね⇩

加齢と老化のちがい|シニア犬の基礎知識≫

犬の認知症(認知機能障害)|どんな病気?症状や特徴

 

執筆者:動物看護師 土田