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老犬の息が荒い・呼吸が早い原因と対処法|動物病院を受診する目安も解説

目次

老犬になると、「最近、よくハァハァしている」「息が荒い・呼吸が早い気がする」という場面が増えてきます。

元気そうに見える場合、老化によるものなのか動物病院に行くべきなのか、判断に悩んでしまうのではないでしょうか。

実際、老犬の呼吸が荒くなる原因には、年齢にともなう自然な現象から、早期に治療が必要なものまでさまざまです。

そこでこの記事では、高齢の愛犬たちと暮らしていた動物介護士の私が、原因や老犬の息が荒いときの対処法を解説します。

正常か異常かの見分け方や、動物病院を受診する目安についてもご紹介しているので、ぜひひとつの参考にしていただければと思います。

※いつもと違う様子や行動がみられる場合には、早めに動物病院を受診しましょう。

 執筆者:高田

【保有資格】
動物介護士、CPD認定 Canine Cognitive Dysfunction(CCD) 修了、ホリスティックケア・カウンセラー、ペットフーディスト ほか

 

老犬の息が荒い・呼吸が早い主な原因7つ

老犬の息が荒くなったり呼吸が早くなったりするのは、どのような原因が考えられるのでしょうか。

ここで詳しく見ておきましょう。

①加齢によるもの

老犬の息が荒くなる原因のひとつに、加齢による自然な変化があります。

老犬になると、肺の弾力性や呼吸に使う筋肉(横隔膜など)が徐々に衰えていきます。

空気を大きく吸い込む力が弱くなるので、一度に取り込める酸素量が減り、不足した酸素を回数で補おうとして浅く速い呼吸になりやすいのです。

 

②体温調整によるもの

老犬の息が荒いのは、暑さによる体温調整ということも少なくありません。

犬は肉球や鼻先でしか汗をかけないため、口を開けて呼吸する「パンティング」で体温を下げようとします。

老犬では筋肉の減少や自律神経の反応低下など、体温調整機能がうまく働きにくく、少し室温が上がっただけでもハァハァとした呼吸が長引きやすくなるのです。

 

③不安やストレスによるもの

老犬の息が荒くなる原因には、不安やストレスが関係していることも珍しくありません。

犬は不安やストレスを感じると、体が「今すぐ全力疾走しなければいけない緊急事態」と判断します。

この状態は体が多くの酸素を必要とするため、酸素を取り込もうと呼吸が速くなるのです。

特に老犬は視力や聴力の低下、脳の老化などから不安やストレスを感じやすく、こうした反応が出やすい傾向にあります。

 

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④痛みや違和感によるもの

老犬が体のどこかに痛みや違和感があっても、息が荒くなることがあります。

痛みは体にとって強いストレスとなり、心拍数や呼吸数が上がりやすくなります。

また、痛みを紛らわせるために行ったり、痛みのある部分を動かさないように体をこわばらせることで深くゆっくりした呼吸ができないなど、さまざまな意味が含まれているのです。

 

⑤肥満によるもの

体重の増加によって、息が荒くなる老犬もいます。

皮下脂肪や内臓脂肪が増えると、胸やお腹が圧迫され、横隔膜の動きが制限されてしまいます。

そのため、動いていなくても呼吸が苦しく感じられ、酸素を取り込もうとハァハァとした呼吸になるのです。

 

⑥服用している薬によるもの

老犬の息が荒いのは、薬の副作用でも見られることがあります。

老犬では、持病の治療のために長期間薬を服用していることも珍しくありません。

特にステロイド剤(プレドニゾロンなど)では、副作用として多飲多尿と同じくらい呼吸数の増加(多呼吸)が見られることがあります。

 

⑦病気によるもの

老犬の息が荒い場合、疑う必要があるのが病気の可能性です。

代表的な病気は、以下のようなものがあります。

  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 気管虚脱、気管支炎
  • 肺水腫、肺炎
  • 貧血
  • クッシング症候群
  • 軟口蓋過長症
  • 熱中症

これらの病気の中には、進行にともなって呼吸困難を起こすものもあるため、早めに動物病院を受診することが大切です。

 

正常?異常?老犬の息が荒いときの見分けるポイント

老犬になると、ちょっとしたことでも息が上がりやすくなるため息が荒いのは正常な場合もありますが、痛みや病気による異常な息の荒さも考えなくてはいけません。

そのため、正常か異常かを見分けることが重要になってきます。

ここでは、自宅でできる見分け方を見ておきましょう。

 

1分間の呼吸数を数える

老犬が横になってリラックスしているときや、寝ているときの安静時に、胸やお腹の上下運動を1回として、1分間に何回呼吸をしているかを数えましょう。

一般的には、安静時の呼吸数が40回以上ある場合は異常の可能性があると考えられています。

ただし、小型犬は呼吸数が多く、大型犬は少ない傾向にあるほか、個体差もあるため、普段から愛犬の正常な呼吸数を把握しておくことが重要です。

また、1分間数えることが難しい場合は、15秒間数えた回数を4倍にしてください。

 

呼吸の様子を観察する

呼吸数だけでなく、呼吸の音や様子も観察しましょう。

たとえば、口を大きく開けて苦しそうに呼吸している、呼吸のたびにゼーゼー・ヒューヒューといった音がするという場合は、呼吸数が少なくても異常のサインです。

 

お腹の動きを観察する

呼吸のたびに、お腹が大きくふくらんでいたりへこんでいないかも確認してください。

呼吸に合わせてお腹が少し動くのは、正常な呼吸の範囲です。

しかし、呼吸のたびにお腹が大きく、必死そうに上下している場合は、呼吸に強い負担がかかっている可能性があります。

胸だけでなくお腹の筋肉まで使って息をしている状態は、正常な呼吸とは言いにくく、注意が必要です。

 

老犬の息が荒いときに動物病院を受診する目安

老犬の息が荒いと感じた場合は、できるだけ早めに動物病院へ相談することが大切です。

老犬では体力や回復力が低下しているため、呼吸の異変が見られる時点で、体に負担がかかっている可能性があります。

特に、次のような様子が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 安静にしていても、呼吸が荒い状態が続いている
  • 安静時の呼吸数が40回以上の状態が、何度測っても続く
  • 呼吸の回数が増えていく
  • 口を大きく開けて、苦しそうに呼吸している
  • 呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューといった音がする
  • 舌や歯ぐきの色が白っぽい、または紫がかって見える
  • 元気や食欲がなく、ぐったりしている
  • 夜間や明け方に、呼吸が荒くなることが多い
  • 寝ている途中で呼吸が乱れる など

暑さやストレスなど、一時的に呼吸が荒くなることもありますが、老犬ではそれをきっかけに体調を崩すことも少なくありません。

涼しい場所で休ませても呼吸が落ち着かない場合や、普段と違う様子が見られる場合は、早めに獣医師にご相談ください。

老犬の呼吸の変化は、病気の早期発見につながる重要なサインのこともあります。

「少しおかしいかも?」と感じた時点で相談することが、愛犬の負担を減らすことにつながります。

 

老犬の息が荒い・呼吸が早いときの対処法

老犬の息が荒いとき、基本的な対応は動物病院を受診することです。

ただし、受診までの間に愛犬の負担を減らすためにできることもあります。

ここでは、老犬の息が荒いときの対処法を見ていきましょう。

 

静かで涼しい環境を整える

老犬の息が荒いときは、まず静かで涼しい場所に移動させ、落ち着いて過ごせるようにしてあげましょう。

周囲の刺激や騒音は、興奮や緊張につながり、呼吸をさらに早めてしまうことがあります。

また、室温や湿度が高いだけでも呼吸の負担が増えてしまうため、適切に調整してあげることが大切です。

 ■ 老犬が快適に過ごせる温度・湿度の目安
室温…25℃前後
湿度…50%程度

過ごしやすい室温は個体差があるため、±2℃で微調整してあげましょう。

 

できるだけ安静に過ごさせる

息が荒い状態では、体を動かすことが負担になることがあります。無理に動かさず、できるだけ安静に過ごしてもらうようにしてください。

呼吸が苦しいときは、立ち上がったり歩いたりするだけでも心臓や肺に大きな負担がかかります。

散歩や運動は控え、無理に体勢を変えたりしないようにしましょう。

愛犬が自分で楽な姿勢を保てるように、見守ってあげることが大切です。

 

呼吸の状態を記録しておく[

老犬の呼吸が荒いときは、呼吸の状態を記録しておくことも重要です。

呼吸数や呼吸の様子、呼吸が荒くなった時間帯やきっかけなどを記録しておくことで、獣医師の診断の判断材料になります。

可能であれば動画で呼吸の様子を残しておき、獣医師に見せるとよいでしょう。

 

まとめ

老犬の息が荒くなるのはさまざまな原因がありますが、体には想像以上の大きな負担がかかっていることがあります。

そのため、基本的には動物病院を受診することが大切です。

実際、私自身も高齢の愛犬たちの呼吸に異変を感じて動物病院を受診したところ、1匹は肺炎、もう1匹は持病の進行がわかったことがあります。

獣医師の指示で自宅に酸素室をレンタルし、少しでも呼吸を楽にしてあげることができました。

老犬の呼吸の変化は、飼い主さんだからこそ気づける大切なサインです。

少しでも違和感を感じたり、気になることがあるときは、ためらわずに獣医師に相談してくださいね。

 

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