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老犬が薬を飲めない!無理なく飲ませる工夫と注意点【動物介護士解説】

目次

病気の治療のために薬を飲んでもらわないといけないのに、老犬がなかなか飲んでくれないと、焦ったり心配になりますよね。

私も高齢の愛犬が心臓病とクッシング症候群でずっと飲み続けてきた薬を嫌がるようになり、「飲まないといけないのに、どうしよう」と悩んだ経験があります。

老犬が薬を飲めなくなるのは、わがままなどの理由ではなく、年齢による体や気持ちの変化が関係していることも少なくありません。

この記事では、動物介護士やペットフーディストの私が、薬を飲めない老犬に無理なく飲んでもらう工夫をご紹介します。

嫌がる理由や注意点も解説しているので、愛犬の投薬の参考にしてください。

 執筆者:高田
【保有資格】
動物介護士、CPD認定 Canine Cognitive Dysfunction(CCD)修了、ホリスティックケア・カウンセラー、ペットフーディスト ほか

 

老犬が薬を飲めないとき、飲ませなくても大丈夫な薬か確認しよう

いま、愛犬が薬を飲めないと困っているなら、まずはかかりつけの獣医師に「飲ませなくても大きな影響が出にくい薬」なのかどうかを確認しましょう。

薬の中には、自己判断で中断してはいけないものもあれば、体調や状況に応じて、飲み方やタイミングを調整できるものもあります。

実際、私の愛犬が飲んでいたクッシング症候群の薬も、基本的には毎日飲んでもらわないといけない薬でしたが、獣医師から「体調が悪いときは絶対に飲ませてはいけない」と指示を受けました。

命にかかわる薬は毎日欠かさず飲ませるものだと思っていたので、この指示を聞いたときは正直とても驚き、本当に飲ませなくて大丈夫なのか心配になったものです。

しかし、老犬の場合は、その日の体調によっては薬がかえって負担になることもあるのだと知りました。

もちろん、薬の種類や役割、老犬の状態によっても異なるため、飼い主が自己判断で飲ませる・飲ませないを決めていいという意味ではありません。  

ただ、薬には飲めない日があっても大きな影響が出にくいものもあります。

獣医師に確認することで「今日は飲ませられなくても大丈夫なのか」が分かり、必要以上に不安を抱えずにすむでしょう。

 

老犬が薬を飲めない・嫌がるのは普通のこと!

老犬が薬を飲めなくなったり、以前より嫌がるようになるのは、決して珍しいことではありません。

老犬は、年齢を重ねることで「感じる → 判断する → コントロールする」という体と脳の働きが、うまく連携しにくくなっていきます。

そのため、以下のようなことが起こりやすくなるのです。

  • 薬の味や匂いを以前より不快に感じやすくなる
  • 錠剤やカプセルを飲み込むことが負担になる
  • 口や喉への違和感が気になりやすくなる
  • 不快感や違和感を我慢しにくくなり、嫌だという反応が出やすくなる
  • 過去の嫌な経験や不安が残りやすく、投薬そのものを避けるようになる など


こうした変化を理解してあげることで、薬を飲ませるときの対応や考え方も変わってくるでしょう。

 

老犬が薬を飲めないときに試したい、無理なく飲ませる6つの工夫

老犬が薬を嫌がる場合、無理に口を開けたり押し込んだりすると、かえって不安や拒否が強くなることがあります。  

できるだけ老犬に負担をかけず、愛犬の状態に合った方法を選ぶことが大切です。

とはいえ、老犬は器用に薬だけを吐き出したり、フードや包んだものから薬だけをより分けたりすることも珍しくありません。

そのため、ひとつの方法にこだわらず、さまざまな方法を組み合わせてみましょう。

 

①投薬補助トリーツを活用する

投薬補助トリーツは、薬を包み込みやすく、苦味や匂いを感じにくくするように作られています。

市販のおやつよりも密着性が高く、途中で薬が出てきにくいのが特徴です。

比較的取り入れやすい方法のため、まず最初に試しやすい選択肢と言えるでしょう。

 

②好きなものに包む・混ぜる

愛犬が普段から好んで食べている食材に薬を包んだり、少量だけ混ぜたりする方法もあります。

香りや味で薬の存在が分かりにくくなるため、比較的口にしてもらいやすい方法です。

ただ、私はチーズをよく使っていましたが、次第にチーズだけを食べて薬を吐き出すようになり、最終的にはチーズそのものを食べなくなってしまいました。

こうしたことがないように、毎回同じ食材を使い続けるのではなく、愛犬の反応を見ながら使うものを変えてあげるとよいでしょう。

 

③練乳などを活用する

練乳などは少量でも甘みが強く、老犬でも好んで口にしやすい食品です。

薬の苦みもやわらげやすいので、投薬補助トリーツや好きなものに包んでも飲んでもらえないときの選択肢のひとつになります。

ただし、肥満の原因になってしまうため、使う量はごく少量にとどめましょう。

 

④上顎に擦り付ける

薬を上顎の奥に軽く擦り付けることで、舌の動きや唾液分泌が促され、飲み込みやすくなることがあります。

口を触られることが苦手な老犬もいるため、様子を見ながら向き不向きを判断することが大切です。

また、この方法で薬を飲んでもらう場合は、短時間で優しく行いましょう。

 

⑤シリンジで流し入れる

粉薬の場合、水に溶かしたりフードに混ぜるなどして、シリンジを使って与える方法があります。

一度に与えようとせず、様子を見ながら進めることが大切です。

器具を使う方法のため、不安がある場合は無理をせずに他の方法も検討しましょう。

 

⑥薬の形状変更を獣医師に相談する

どうしても老犬に薬を飲ませることが難しい場合は、薬の形状を変更できないか獣医師に相談してみましょう。

薬によっては、粉薬やシロップ、糖衣付きなど、別の形で対応できることもありますよ。

 

老犬に薬を飲ませるときの注意点

老犬に薬を飲ませるときは、どう飲ませるかだけでなく、飲んでもらう上で注意すべきことも知っておくことが大切です。

ここでは、老犬に薬を飲ませるときの注意点を見ていきましょう。

 

飼い主さんが身構えない

薬を飲ませようとするとき、「何としても飲ませなきゃ」と身構えていませんか?

老犬は飼い主さんの感情を敏感に察知するため、声や表情、動き、雰囲気などから緊張していることが愛犬に伝わります。

飼い主さんが身構えるほど、老犬は薬を飲まなくなってしまうため、普段どおりの落ち着いた態度で接することを意識しましょう。

 

ごはん全体に混ぜない

薬をごはん全体に混ぜるのは、さまざまなリスクがあるためおすすめできません。

ごはんを残した場合、薬をきちんと飲めたか確認しにくくなるだけでなく、薬の効果を十分に得られない可能性があります。

また、一度「このごはんは怪しい」と覚えてしまうと、食事自体を拒否するようになる可能性も否定できません。

ごはんに混ぜる場合は、必ず少量で試し、愛犬が食べきれるかどうかを確認しながら行いましょう。

 

自己判断でカプセルを開けたり錠剤を砕いたりしない

薬を飲ませにくいからといって、カプセルを開けたり、錠剤を砕いたりするのは避けましょう。

薬の中には、カプセルや錠剤の形状によって効果や安全性が保たれているものもあります。 

自己判断で形を変えてしまうと、薬の効果が弱くなったり、逆に体への負担が大きくなってしまうこともあるため、飲ませ方に悩んだときはかかりつけの獣医師に相談することが大切です。

 

体調に異変が見られたときは獣医師に相談する

投薬中に、元気がない、食欲が落ちる、下痢や嘔吐など、いつもと違う様子が見られた場合は、投薬についての指示を仰ぐためにも、まずは獣医師へ連絡しましょう。

こうした症状が薬による副作用なのか、病気による影響なのかは、獣医師でなければ判断できません。

症状が出たタイミングや様子、薬を飲ませた時間などを正確に伝えることで、獣医師が診断する際の判断材料になります。

 

シリンジを使用する場合は獣医師に教わってから

シリンジを使用した投薬は、やり方を間違えると老犬の誤嚥のリスクが高まります。

特に老犬は、飲み込む力が弱くなったり、むせたり咳き込んで異物を外に出す働きが低下するため、注意していれば防げるという単純なものではありません。

シリンジを使用する場合は、事前に獣医師から正しい使い方を教わり、安全に行えるようにしておくことが大切です。

 

まとめ

老犬が薬を飲めなくなるのは、年齢を重ねることで起こる変化によるもので、決して珍しいことではありません。

病気を抱えている犬にとって薬は大切なものですが、体調や状態によっては飲ませることが難しいこともあるでしょう。

そんなときは、「飲ませなきゃ」と必死になる前に、まず獣医師に「飲ませなくても大丈夫か」を確認することが大切です。

病気によっては、ずっと薬と付き合っていく必要がある場合もあります。

だからこそ、愛犬の負担をできるだけ減らしながら、その時々の状態に合わせた投薬方法を選んであげてくださいね。

 

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