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寝ている老犬にやってはいけないことは?起こすべきタイミングも解説

目次

気持ちよさそうに寝ている愛犬を見ると、撫でたくなったり寝姿をカメラに納めたくなることもあるのではないでしょうか。

しかし、老犬になると若い頃に比べて睡眠時間を多く必要とします。

そのため、頻繁に睡眠を邪魔してしまうと体調不良や病気の原因になってしまうことがあります。

今回は、寝ている老犬にやってはいけないことや、起こすべきタイミングについて解説します。

 

寝ている老犬にやってはいけないこと3つ

状況や老犬の状態によって異なりますが、愛犬が寝ているときは睡眠を邪魔しないように配慮してあげることが大切です。

犬の睡眠は眠りの浅い「レム睡眠」がほとんどなため、身体は休みつつ脳は起きていて、いつでもすぐに起きられる状態にあります。

睡眠時であっても敏感なので、寝ている老犬には以下のことをやらないように注意しましょう。

 

① 撫でる・触る

老犬が寝ている時は、撫でたり触ったりしないようにしましょう。

急に触られることは寝ている老犬にとって迷惑な行動で、起こしてしまうだけでなくびっくりさせてしまうことにもなりかねません。

撫でている最中に寝てしまった場合では、そのまま優しく撫で続けてあげて、少し経ったら撫でるのをやめればOKです。

 

② 名前を呼ぶ

老犬が寝ている時に、名前を呼ぶのはやめましょう。

名前を呼ばれれば、反応して起きてしまうことがあります。
起こさないように、そっと見守ってあげましょう。

 

③ 大きな音や声を出す

寝ている老犬のそばで、大きな音や声を出すのはやめましょう。

騒がしくされると起きてしまうのはもちろん、その後に落ち着いて眠ることができなくなります。

また、小さなお子さんがいる家庭では、寝ている老犬のそばでお子さんが走り回らないように配慮してあげることが大切です。

音だけでなく気配にも敏感なので、落ち着いて休める環境にしてあげましょう。

 

老犬の睡眠を邪魔するリスク

睡眠には、活動して疲れた心身・傷ついた細胞の回復、免疫細胞の活動する時間など、重要な役割があります。

老犬は、老化によって身体のさまざまな機能が低下することから、回復にも時間がかかり、若い頃よりもより多くの睡眠時間が必要です。

そのため、十分な睡眠時間を取らせてあげなければ、睡眠不足となってさまざまな健康リスクが高まります。

 ■ 老犬の睡眠不足のリスク

・ストレスが溜まる
・活性酸素が増えすぎる
・免疫力の低下
・病気の発症
・持病の進行を早める
・脳や腸への負担
・心臓や腎臓への負担
・記憶力や認知能力が衰える

個体差はありますが、老犬の平均睡眠時間は18〜20時間ほどと人に比べて長時間です。
愛犬の健康を守るためにも眠りを妨げないようにしてあげましょう。

老犬の睡眠については、以下の記事も参考にしてみてください⇩

 動物介護士が解説|老犬が夜寝ないけど大丈夫?原因と対処法

 

老犬の睡眠環境を見直してあげよう

老犬にとって、睡眠はとても大切な時間です。
寝ている時にやってはいけないことの配慮だけでなく、快適な睡眠(質の高い睡眠)となるように睡眠環境を見直してあげることも重要です。

 

室温・湿度を管理してあげる

老犬は体温調整も上手にできなくなるため、室温や湿度などの管理も行ってあげる必要があります。

 ■ 老犬が過ごしやすい室温・湿度の目安

室温…25℃前後
湿度…50%程度

 

寝ている時は特に、自分で快適な場所に移動するということが難しくなります。

寒すぎたり暑すぎるのは体調不良の原因となってしまうため、愛犬の寝床のそばに温湿度計を設置して温度や湿度をこまめにチェックするようにしましょう。

また、冬場は犬用湯たんぽや毛布を用意する、夏場は寝床のすぐ横にクールマットなどを用意するなど暑さ・寒さを自分でも調整できるようにしてあげることも大切です。

なお、エアコンなどの風が直接老犬に当たらないよう、風向きや寝床の場所などにも配慮してあげてくださいね。

 

寝心地のよいベッドを用意する

老犬になると、身体のあちこちの筋肉が痩せたり、衰えてきます。
そのため、ベッドが薄いと関節が硬い床にあたって痛くなり、よく眠れないということもあります。

また、老犬は血行が悪くなることから、寝たきりでなくても床ずれ(褥瘡)に気をつけてあげなければいけません。

低反発マットは寝心地が良いだけでなく、体圧を分散してくれて床ずれ(褥瘡)予防にも有効とされているため、そうしたマットを取り入れてあげるといいでしょう。

ただし、疾患などの条件によっては合う合わないがあります。
愛犬の好みも考えつつ、寝心地の良い、身体に合った寝具を見つけてあげてください。

 

落ち着ける場所に寝床を用意する

落ち着ける場所は老犬によっても異なりますが、できるだけ愛犬が落ち着ける場所に寝床を用意してあげましょう。

一般的には人の出入りが少ない場所や窓から離れた場所、テレビから離れた場所などとされています。

しかし、老犬になると不安が強くなる傾向にあることから、飼い主さんのそばが一番落ち着くことも。

愛犬が落ち着ける場所を探してみましょう。

 

一緒に寝ている場合は安全対策を行う

愛犬と一緒に寝ているという飼い主さんもいらっしゃるでしょう。

その場合は、ベッドから落ちてもケガをしないように、ベッドの下にクッションや厚めのマットなどを敷いてあげることをおすすめします。

老犬になると筋肉が衰えたり骨が弱くなるため、骨折などのリスクも高まります。

また、ベッドから飛び降りなくてもいいように、スロープなどを用意してあげることも大切です。

 

寝ている老犬を起こすべきタイミング

基本的には、寝ている老犬を無理に起こす必要はありません。

無理に起こすことで、体力の回復が遅れたり、ストレスとなってしまいます。
しかし、起こした方が良いケースもあるため、ここでみておきましょう。

 

夜に寝ないなど昼夜逆転している場合

老犬が夜に寝ないで夜鳴きや徘徊が見られたり、明らかに昼夜逆転している場合では、日中に声をかけて適度に起こしてあげることが大切です。

昼夜逆転も、睡眠不足同様に病気のリスクや認知症のリスクが高まります。

夜に寝てもらうためにも、散歩やご飯などの時間には声をかけて起きてもらいましょう。

犬の昼夜逆転については、以下の記事で詳しく解説しています⇩

 犬が昼夜逆転するのはなぜ?考えられる原因や治す方法を解説

 

ずっと寝ている場合(ご飯や水など何も口にしない)

老犬は食欲の低下や喉の渇きに鈍感になることから、何も口にせずずっと寝続けることがありますが、その場合はご飯の時間に起こしてあげましょう。
ご飯を食べないことで栄養不足に陥ったり、水を飲まないことで脱水を招くことになりかねません。

さらに、ご飯の時間もずっと寝ている日が続けば、生活リズムが狂って昼夜逆転を引き起こしてしまう恐れもあります。

生活リズムを整えてあげるという意味でも、ご飯の時間は起こすようにしましょう。

【関連記事】

 動物介護士が解説|老犬が寝てばかりいるのは病気?注意点や気をつけてあげたいこと

 

体調不良や状態が悪い場合

明らかに体調や状態が悪くて寝ていることがわかる場合、まだ動物病院を受診していないのであれば起こさなくても良いので、そのまま動物病院に運んであげましょう。

獣医師に往診に来てもらうことが可能であれば、往診をお願いすることをおすすめします。

老犬は病気の発見や治療が遅れることで、命に関わることも珍しくありません。

 

寝ている老犬を起こす正しい方法

通常、犬は名前を呼ぶことで起きてくれますが、老犬になると聴覚の衰えから名前を呼んでも気づかないこともあります。

老犬をびっくりさせたりストレスにならないように、正しい起こし方も覚えておきましょう。

 【老犬の起こし方】

①鼻先に手を近づけて匂いを嗅がせる

老犬は嗅覚も衰えますが、聴覚や視覚などに比べても長く使うことができる機能なので、まずは鼻先に手を近づけて匂いを嗅いでもらいましょう。

②優しく声をかけながら背中を優しく触れる

次に、優しく声をかけながら背中に優しく触れることで驚かせずに起きてもらうことができます。

いきなり揺さぶったり、抱き上げたりするのはびっくりさせてしまうことになるのでやめてあげてくださいね。

特に心臓の病気やてんかんの既往歴がある老犬では、身体に負担をかけてしまう可能性があるため要注意です。

 

まとめ

愛犬が高齢になるとじっと動かずに寝ている姿を見て、息をしているのかと心配になって触ってしまうこともあるでしょう(私も経験があります!)。

しかし、老犬が寝ているときは触らずそっと見守ることが大切です。

息をしているかは、胸やお腹の動きをみたり、鼻先にティッシュを垂らすなどで確認できるため、ゆさぶったり声をかけたりして起こさないようにしましょう。

老犬にとって睡眠はとても重要なものなので、安眠できるように配慮してあげてくださいね。

 

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執筆者:高田(動物介護士)