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犬が昼夜逆転するのはなぜ?考えられる原因や治す方法を解説

目次

愛犬が昼夜逆転するようになって、「何が原因なのだろう」と悩む飼い主さんは多いです。

昼夜逆転を治してあげたいと思っても、そもそもの原因がわからないと対処のしようがありませんね。

昼夜逆転の生活は、認知機能の低下や病気のリスクが高まるなど、さまざまな健康リスクがあるためできるだけ元に戻してあげることが大切です。

そこで今回は、犬が昼夜逆転する原因や治す方法を解説します。

犬が昼夜逆転する主な原因5つ

犬が昼夜逆転する原因はさまざまですが、環境を改善してあげることですぐに解決できるものもあります。

まずは、なぜ愛犬が昼夜逆転しているのか、原因を考えてみましょう。

① 飼い主さんに合わせている

犬は基本的に飼い主さんの生活スタイルに合わせて生活します。
そのため、飼い主さんが昼夜逆転のような生活を送っていると、犬も昼夜逆転になりやすくなります。

深夜に帰宅してそれからコミュニケーションを取る、夜間に自宅で仕事をしているといった生活は、犬の活動時間を夜にしてしまうでしょう。

② 運動不足

犬が運動不足である場合、体力があり余っていて夜に活動しはじめることがあります。

夜に寝ない分、日中に眠くなるため、昼夜逆転の悪循環に陥りやすいです。

また、飼い主さんの帰宅が夜である場合、犬は運動不足を解消しようと飼い主さんを遊びに誘い、遊んでもらうことで興奮した状態が続くため夜に眠れなくなります。

③ 寝床が快適ではない

犬の寝床の環境が快適でない場合も、昼夜逆転を起こす原因のひとつと考えられます。

ベッドの寝心地が悪い、テレビなどがうるさい、人の出入りが気になる、飼い主さんがそばにいなくて不安など、安心して眠れる環境でなければ犬は眠れなくて夜に活動してしまうでしょう。

④ 病気やケガで痛みを抱えている

病気やケガによって身体のどこかに痛みや強い痒みなどを抱えている場合、眠れずに起きていることがあります。

症状によっては、横になりたくても息苦しくて横になれないなど、眠りたいのに眠れない状態になっているのかもしれません。

 ■ 疑うべき病気やケガの一例
関節疾患(関節炎など)、ケガ(骨折など)、皮膚疾患、異物誤飲、心臓疾患、呼吸器疾患、肺炎、腫瘍 など

犬の年齢や犬種、性格などの条件により起こりやすさには差があるものの、急に昼夜逆転がみられたときは、まず身体の状態をチェックしてみましょう。
原因が分からない場合は早めに獣医師にご相談ください。

⑤ 認知症の可能性

認知症を発症している場合に、昼夜逆転の症状がみられることがあります。

認知機能は、小型犬や中型犬では10歳頃から、大型犬では8歳頃から徐々に低下していきます。

認知症を疑う行動については、後にご紹介する「昼夜逆転で認知症を疑ったほうが良いケース」で詳しく解説していますが、老犬では認知症の可能性もあるので注意が必要です。

犬の認知症については、以下の記事もご覧ください⇩

 動物介護士が解説|犬の認知症の症状は?予防や対策方法
 動物介護士が解説|犬の認知症を治すことはできる?治療法やできるサポート

 

犬の昼夜逆転を治す方法

犬の昼夜逆転は、人間の昼夜逆転の生活と同じく、ホルモンバランスや自律神経の乱れ、認知機能や免疫機能の低下、病気のリスクが高まるなど、健康に悪影響を与える可能性があります。

そのため、“日中は起きて夜間は寝る”という、通常の睡眠サイクルに戻してあげることが大切です。

ここでは、犬の昼夜逆転を治す方法についてご紹介します。

動物病院を受診する(身体の状態をしっかり把握する)

愛犬に昼夜逆転がみられたら、どんなに元気で健康そうな場合でも、一度動物病院を受診しましょう。

犬の昼夜逆転の症状には、病気やケガが潜んでいることもあります。

適切な治療を受けて、痛みや痒み、息苦しさなどの不快感を軽減・解消することで、昼夜逆転がみられなくなる可能性があります。

適度な運動をさせてあげる

運動不足を解消してあげるためにも、適度な運動をさせてあげましょう。

基本的に犬の散歩は毎日必要です。

 ■ 犬の散歩時間の目安

・小型犬 …1日2回、1回15~30分
・中型犬 …1日2回、1回30~60分程度
・大型犬 ……1日2回、1回60分程度

外に出ることで、脳や身体への適度な刺激や疲労となり、夜に寝てくれやすくなります。
雨の日など天候が悪いときは、室内でボール遊びやおもちゃの引っ張りっこなど、できる限り運動させてあげるといいでしょう。

老犬の散歩については、以下の記事を参考にしてみてくださいね⇩

 動物介護士が解説|老犬が散歩を嫌がるときはどうする?回数や時間の目安も

 

安心して休める環境をつくってあげる

寝心地の良いベッドを用意してあげるのはもちろん、愛犬がどんな環境であれば安心して休めるのかを考えてあげましょう。

静かな環境を好む犬もいれば、人の気配を感じていたい犬もいます。

室内の温度や電気の明るさなど、細かいところまで配慮してあげることが大切です。

 ■ 犬が快適に過ごせる温度や湿度の目安

・室温 …25℃前後
・湿度 …50%

快適な室温は犬によって異なるため、愛犬の快適な室温を探してあげるといいでしょう。

ただし、室温や湿度が高すぎるのは心身に負担がかかったり、熱中症のリスクが高まるため、高くしすぎないように注意してください。

日光浴をさせてあげる

犬の昼夜逆転には、日光浴も有効です。

日光浴を行うことでセロトニンの分泌が促され、精神の安定や体内時計を整えることができます。

セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となり、夜は質の良い睡眠への誘導や睡眠リズムの調整を行うため、1日15〜30分程度の日光浴をさせてあげましょう。

日光浴は散歩のときでもいいですし、カーテンを開けた窓際やベランダ、お庭で行っても問題ありません。

犬の状態に合わせて、負担とならない方法で行ってあげるといいでしょう。

寄り添ってあげる

特に老犬になると不安感が強くなり、飼い主さんがそばにいないと安心して眠れないことがあります。

そのため、できる限りそばに寄り添い、不安を和らげてあげましょう。

優しく声をかけながら撫でてあげたり、子守唄を歌いながらポンポンしてあげる、マッサージをしてあげるなどのスキンシップも有効です。

また、寝室が別の場合は同じ部屋に寝床を用意してあげるといいでしょう。

昼夜逆転で認知症を疑ったほうが良いケース

もしも、昼夜逆転が老犬に起こっている場合は、認知症を発症しているのかもしれません。

昼夜逆転のほかに、以下のような行動がないか確認してみましょう。

・表情が変わらない・日中にボーっとしていることが多い
・散歩やおもちゃなどに興味を示さなくなった
・夜鳴きをする
・トイレを失敗するようになった
・目的もなくウロウロと歩き回ることがある(徘徊)
・一定方向にグルグルと回る(旋回運動)
・家の中や、通り慣れた道で迷うことがある
・狭いところに入りたがる など

実際、私の愛犬が17歳で認知症を発症し始めたとき、夜になると興奮が強くなり、日中よりも元気になるということがありました。

かかりつけの動物病院で相談すると、「年齢も年齢だし、老犬になるとよくあることです」とのことでした。
その後、寝ずに旋回運動をするようになって「認知症」と確定診断されました。

認知症は進行する病気のため治すことはできませんが、獣医師と相談しながらサプリメントを取り入れることで進行を緩やかにすることは可能です。

 ■ 犬の認知症対策におすすめの栄養成分

・ポリフェノール(アントシアニン、グネチンCなど)
・カロテノイド(アスタキサンチン、ルテイン、β‐カロテンなど)
・神経栄養因子様化合物(バングレン
・オメガ3脂肪酸(DHA、α-リノレン酸など)
・ビタミンA、C、E など

実際、私の愛犬にグネチンCバングレンが含まれたサプリメントを与えるようになってから、愛犬の体質に合っていたのか夜はしっかり寝てくれていました。

その後も認知症がひどくなるようなことはなく、良い状態で維持できていましたよ!

どの成分が自分の愛犬に合うかは試してみなければわかりませんが、せっかく飲んでもらうのですから動物病院でも取扱いがあるようなエビデンスのある、しっかりとした商品を選ぶことをおすすめします。

また、老犬では認知症以外にも何らかの病気が原因で夜に眠れず昼夜逆転していることがあるため、自己判断せずにまずは獣医師にご相談ください。

老犬の睡眠や夜鳴きについては、以下の記事で詳しく解説しています⇩

 動物介護士が解説|老犬が夜寝ないけど大丈夫?原因と対処法
 動物介護士が解説|老犬が寝てばかりいるのは病気?注意点や気をつけてあげたいこと
 動物介護士が解説|老犬の夜鳴きに薬は効く?使用するリスクや対処法

 

まとめ

犬の昼夜逆転が起こる原因はさまざまですが、原因に合わせて適切に対処してあげることが治すための近道です。

慢性的な昼夜逆転は、健康への悪影響や、それによる症状の悪化(夜鳴き、興奮、徘徊など)にもつながります。
夜鳴きや興奮、徘徊は、飼い主さまやご家族さまの睡眠不足のみならず、ご近所への影響も考えられます。
日中に寝ているなら夜に起きていても大丈夫だろうと思わず、愛犬に昼夜逆転の様子がみられたら早めに睡眠サイクルを整えるための取り組みを行いましょう。

どうしていいのか分からなくなってしまったときは、おひとりで悩まずに獣医師や動物看護師、動物介護士、ドッグトレーナーなどの専門家に相談すると解決法が見つかりやすくなります。

あなたのワンちゃんがぐっすり眠れて、健康な毎日を過ごせますように。

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執筆者:高田(動物介護士)

※体調、体質などによっては、ご紹介した情報や方法が適さないケースもあります。
愛犬の身体に心配ごとがある場合は、かかりつけの動物病院にご相談ください。