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動物介護士が解説|老犬が外でしかトイレをしない!外から中へ変えてあげる方法

目次

老犬になると、トイレの回数が増えたり、お腹を壊しやすくなりがちです。

外でしかトイレをしない老犬では、悪天候でも外に行かなければいけなかったり、夜中の寒い時間に何度もトイレに連れ出してあげなければいけなかった

りと、愛犬だけでなく飼い主さん自身も大変ですよね。

実際、友人の15歳の愛犬が夜中に3回も4回も外にトイレに行き、「寒いから室内でトイレをさせてあげたいのに外でしかしない」と頭を悩ませていました。

ずっと外でしかトイレをしない老犬にいきなり室内でトイレをさせることは難しいですが、高齢になればなるほどトイレの我慢は難しくなり、病気などで体調を崩して外に出ることが負担となることもあるため、室内でトイレができるようにしてあげましょう。

そこで今回は、老犬のトイレを外から中に移行する方法を解説します。

そもそもなぜ外でしかトイレをしないの?

犬は外敵から身を守るために、自分の寝床から離れた場所でトイレをする習慣があります。

そのため、家全体を寝床と認識している場合、寝床から遠く離れた外でトイレをするようになってしまうのです。

また、ほかの犬のニオイによってトイレが誘発されてしまったり、習慣化していることもあります。

老犬のトイレを外から中へ移行するメリット

老犬に室内のトイレトレーニングを行うことは、時間はかかりますがメリットもあります。

トイレの我慢をさせなくて良い

外でしかトイレをしない犬は、散歩のときまでトイレを我慢しています。

室内でトイレができるようになれば、老犬が自分のペースでトイレに行くことができ、我慢をさせなくて良いでしょう。

負担を軽減してあげられる

老犬は膀胱や排泄に使う筋力など、泌尿器の機能が低下するため、トイレを我慢することが心身の負担となるケースがあります。

また、暑い・寒いなど気温による体への負担や、雨で体が濡れる負担、毎回外に出る足腰や体力の負担など、さまざまな負担を軽減してあげることができるでしょう。

排泄物の状態を確認できる

外でのトイレは、アスファルトの上や芝生の上、土の上など、尿の色や量がわかりにくくありませんか?

室内でトイレをしてもらうことによって、尿や便の色・量などをしっかり確認でき、健康状態を把握することができます。

血尿・血便などの異変にも、いち早く気づいてあげることができるでしょう。

老犬のトイレを外から中に移行するトレーニング方法

ここからは、室内でトイレをしてもらうためのトレーニング方法を見ていきましょう。

老犬のトイレトレーニングにはさまざまな方法がありますが、試しやすい方法をご紹介します。

① 窓やドアの近くにペットシーツを敷く

まずは、窓やドアの近くにペットシーツを敷きましょう。

ほかにも、キッチンやお風呂場などの水回りなど、トイレをしそうな場所にペットシーツを敷いておきます。

② お漏らしを待ってお漏らししたら大げさに褒める

トレーニング中は室内でトイレをするまで散歩はもちろん外には行かず、お漏らしをするまで待ちます。

お漏らしができたら、ご褒美をあげて大げさに褒めてあげましょう。

ただ、外の匂いが刺激となりトイレをしたくなる場合もあるため、あまりにもトイレをしない場合は2〜3分程度外を歩かせてあげるといいでしょう。

③ トイレの記録をつける

室内でお漏らしができるようになったら、トイレの記録をつけてみましょう。

トイレの記録をつけることで、愛犬がどんなタイミングでトイレをするか、ある程度分かってきます。

④ 排泄しそうなタイミングにトイレに誘導する

ある程度どんなタイミングでトイレをするかが分かれば、あとはその時間にトイレに誘導してあげます。

これを何度も繰り返すことで、室内のトイレの場所も覚えてくれます。

また、室内でお漏らしができたときや、トイレができたときは毎回必ず褒めてあげることを忘れないようにしましょう。

老犬のトイレトレーニングの注意点

老犬のトイレトレーニングは、若い頃のように簡単にはいきません。

老犬になれば理解するのに時間がかかったり、頑固になったりと、時間がかかるのは当然です。

気長に、焦らずじっくりと取り組みましょう。

ここでは、老犬のトイレトレーニングの注意点を解説します。

絶対に叱らない

老犬のトイレトレーニングが思うようにうまくいかなくても、絶対に叱らないようにしましょう。

叱ることは逆効果になるだけでなく、信頼関係を損ねることにもなりかねません。

これまでずっと外でしかトイレをしない期間が長かったのですから、うまくできなくて当然です。

穏やかな気持ちで見守ってあげましょう。

散歩や外に連れ出してあげたくなる気持ちを我慢する

室内でお漏らしができるまで、散歩や外に連れ出してあげたくなる気持ちをグッと我慢することも大切です。

ただし、トイレを我慢させすぎても膀胱炎や便秘などのリスクが高まるため、無理をさせすぎないように注意してあげましょう。

トイレの回数が増えたりお腹を壊しやすい場合は、病気の可能性もある

老犬は泌尿器の機能の低下でトイレを我慢できにくくなったり、消化機能が弱くなるためお腹を壊しやすくなりますが、老化によるものでなく病気が原因の場合もあります。

・トイレの回数が増えた
・お腹を壊しやすい
・下痢や軟便が続いている
・足腰が弱った
・疲れやすい など

気になる症状がみられたら、それが老化による症状なのか、病気が関連しているのか、一度獣医師にご相談してみましょう。

老犬のトイレに関する病気

最後に、老犬のトイレに関する症状が出る病気を知っておきましょう。

病気や不調は、早期発見・早期治療が重要です。

もちろん、前章であげたような症状がみられても何ともないこともありますが、老犬では深刻な病気を抱えていることもあります。

「老犬だから…」「歳をとったからしょうがない」と自己判断しないようにしましょう。

トイレの回数が多い場合

トイレの回数が多い場合、以下のような病気が考えられます。

 ■ トイレの回数が多い場合に考えられる病気

膀胱炎、慢性腎臓病、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、糖尿病、子宮蓄膿症  など

この場合、水を飲む量が増える(多飲多尿)など、ほかの症状もみられることが多いです。

ただ、老犬の場合は喉の渇きに鈍感になったりして、水を飲む量が増えるとは限りません。

また、暑い夏場などは水を飲む量が増え、それに伴いトイレの回数が増えるのは自然のことですが、普段から水を飲む量が多かったりトイレの回数が多い場合は病気を疑って動物病院を受診しましょう。

老犬のトイレの回数については、以下の記事も参考にしてみてください⇩

 動物介護士が解説|老犬がトイレを失敗するようになったら要注意!対処法も


下痢や軟便が続く・繰り返す場合

老犬はどうしても腸内環境が乱れやすくなったり、消化機能が低下しやすくなるため、下痢や軟便を起こしやすくなります。

また、体温調整も上手にできなくなるため、エアコンの効いた部屋にずっといたり、寒いとお腹を壊してしまうこともあります。

ただ、下痢や軟便が続いたり、繰り返す場合では何らかの病気が関連している可能性もあるため、注意が必要です。

 ■ 下痢や軟便が続いたり繰り返す場合に考えられる病気

胃腸炎、大腸炎、アレルギー性腸炎、炎症性腸疾患、内臓疾患、腫瘍 など

 

下痢や軟便は、水分も一緒に出てしまうため、脱水などに気をつけてあげなければいけないほか、体力を消耗してしまうため早めに対処してあげましょう。

尿の色がいつもと違う場合

個体差もありますが、通常時の犬の尿の色は薄い黄色です。

朝や運動後は少し色が濃くなり、水を飲んだあとは少し色が薄くなるのは正常なことですが、一時的な色の変化ではなく明らかにいつもと色が違う場合は病気の可能性があります。

 ■ 尿の色から考えられる病気

濃い色・オレンジ色
…肝臓の病気や胆のうの病気など
水のように薄い色
…慢性腎臓病や副腎皮質機能亢進症、尿崩症など
赤っぽい色
…膀胱炎、膀胱結石、腎臓病、前立腺の病気、子宮蓄膿症、感染症など
濁った色
…膀胱炎や前立腺炎など
キラキラしている
…尿路結石症など

尿の色は、老犬の健康状態を知るためにもとても重要です。

外でトイレをしているとこうした色の変化を見逃しやすくなってしまうため、できるだけ室内でトイレができるようにしてあげましょう。

まとめ

老犬になればなるほど、体のあちこちの機能が衰えていき、毎回外へ出てのトイレが負担となってきます。

自力で歩けなくなってしまったときなどは、小型犬ならまだしも、中型犬や大型犬を抱っこして外に連れて行き、トイレをさせるというのはなかなか大変ですね。

老犬の室内でのトイレトレーニングは時間がかかりますが、室内でトイレをできるようにしてあげることは、愛犬のためだけでなく飼い主さん自身のためでもあります。

トイレトレーニングは無理をせず、愛犬にも無理をさせず、焦らずゆっくり気長に行いましょう。

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執筆者:高田(動物介護士)

※体調、体質などによっては、ご紹介した情報や方法が適さないケースもあります。
愛犬の身体に心配ごとがある場合は、かかりつけの動物病院にご相談ください。