老犬の脳ケアの重要性|認知症予防と生活の質を守るためにできること
愛犬が年齢を重ねてシニア期に入ると、体の衰えだけでなく「脳の健康」にも変化が起こります。
最近では「老犬の認知症(犬の認知機能不全症候群)」が広く知られるようになり、老犬の脳ケアは飼い主さんにとって非常に大切なテーマとなっています。
この記事では、老犬 脳ケアの重要性を中心に、脳の老化によって起こる症状や認知症予防の方法、食事・サプリメント・脳トレーニングなど具体的なケア方法をご紹介します。
■ 執筆者 トライザ株式会社 土田(動物看護師) |
老犬に起こりやすい脳の老化とは?
犬も人間と同じように、年齢を重ねると脳の神経細胞が少しずつ減少し、情報処理能力が低下していきます。これにより以下のような行動が見られることがあります。
- 床や壁をぼんやり見つめる(ぼーっとすることが増えた)
- 夜中に徘徊したり鳴くようになる(夜泣き・徘徊)
- 名前を呼んでも反応が鈍い
- 食欲や睡眠のリズムが乱れる
- トイレの場所を間違えるようになる(排泄の失敗)
- ぐるぐると回る行動がみられる(旋回運動)など
これらは**「犬の認知機能不全症候群(老犬の認知症)」**と呼ばれる症状で、早い場合は7〜8歳ごろから現れることもあります。
認知症が進行すると、生活の質(QOL)が大きく低下してしまうため、脳ケアによる予防・進行抑制がとても大切なのです。
老犬 脳ケアの重要性
認知症の発症を予防できる
老犬の認知症は一度発症すると完治は難しいですが、脳ケアを早めに始めることで発症リスクを下げることができます。食事や生活環境の工夫、サプリメントの活用などで、脳の健康を守ることが可能です。
進行を遅らせて生活の質を守る
万が一認知症の初期症状が出ても、脳ケアを行うことで進行を遅らせることができます。
例えば、脳トレーニングや適度な運動、脳に良い栄養素の摂取によって、記憶力や学習能力を維持することができます。
飼い主さんとのコミュニケーションの質を守る
脳の健康は、単に病気を防ぐだけでなく「愛犬と飼い主のコミュニケーションの質」を守ることにつながります。
名前を呼んだときに反応してくれる、遊びに喜んでくれる――そんな日常を長く続けるために、脳ケアは欠かせません。
脳に疲労をためないための工夫
老犬の脳の健康を守るためには、脳に疲労をため込まないことがとても大切です。
脳が疲れた状態が続くと神経細胞の働きが低下し、記憶力や判断力が衰えやすくなります。
さらに疲労が慢性的に蓄積すると、脳の老化が加速し、**犬の認知症(認知機能低下症候群)**のリスクが高まります。
脳が疲労する主な原因
慢性的な睡眠不足
老犬は昼夜逆転や夜間の徘徊が起こりやすく、十分な睡眠が取れないことがあります
睡眠不足は脳の回復を妨げ、認知症の大きなリスクになります。
ストレス
環境の変化、騒音、家族の不在など、老犬にとって強い刺激はストレスとなり、脳に負担をかけます。
慢性的なストレスは脳疲労を蓄積させ、老化を早める要因です。
刺激不足
毎日同じ散歩コースや単調な生活を送っていると、脳が活性化せずに徐々に衰えてしまいます。
老犬 脳ケアの具体的な方法
栄養による脳ケア
脳の健康には栄養バランスが重要です。
特に以下の栄養素は老犬の脳ケア で意識したいポイントです。
- DHA・EPA:青魚やサプリメントに含まれる
- 抗酸化物質:メリンジョなどのポリフェノール、ビタミンE、ビタミンCなど
- 神経伝達物質:バングレン、アミノ酸など
- 中鎖脂肪酸:MCTオイルなど
TV番組などでも特集が組まれるなど、最近特に注目が集まっているメリンジョ、バングレンという成分があります。
これはヒトの認知症でも良い研究結果が得られることがわかっており、新しいアプローチとして、取り入れる動物病院や飼い主さんが増えています。
EPA・DHA、MCTオイルであまり効果がみられなかった場合は、一度試してみると良いでしょう。
フードから必要な栄養素をすべて摂取することは難しいため、サプリメントを上手に活用しましょう。
特に食欲が低下しがちな老犬には、効率的に栄養が摂れるサプリメントが有効です。
脳トレーニング・遊び・コミュニケーション
老犬でも楽しめる**脳トレーニング(脳トレ)**は、認知症予防に効果的です。
おすすめの脳トレ:
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知育玩具を使ってフードを探す遊び
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短いお散歩ルートを変えて、新しい刺激を与える
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簡単な芸やコマンドを復習する
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飼い主と目を合わせてスキンシップを取る など
ポイントは「無理なく楽しめる範囲で継続すること」。
体力が落ちてきた老犬でも、ちょっとした刺激が脳を活性化させます。
また、大好きな飼い主さんとのふれあい、コミュニケーションも脳にとってとても良い刺激になります。
優しく声をかけながら体をなでたり、たくさん話しかけてあげましょう。
適度な運動
運動は体の健康だけでなく脳の活性化にも効果的です。
ただし老犬は関節や心臓に負担をかけないよう、短時間・低負荷の散歩や軽い遊びを取り入れることが大切です。
運動によって血流が改善されると、脳に酸素や栄養が行き渡り、認知症予防につながります。
生活環境の工夫
長期的なストレスは、脳にとってあまり良いとは言えません。
また慢性的な睡眠不足も、脳を疲労させて老化を進めてしまうことにもつながります。
老犬が安心して生活できる環境を整えることも、脳ケアの一環です。
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トイレや食器の場所を変えない
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滑りにくいマットを敷く
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安眠できる環境の整える(適当な温度・湿度、静かな環境、柔らかな照明など)
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静かで安心できる休憩スペースを確保 など
こうした工夫により、老犬の混乱やストレスを軽減し、脳への負担を減らすことができます。
半年に1回以上の健康チェックで脳の状態を確認
老犬の脳ケアを行う上で、定期的なシニア犬健診も欠かせません。
小型犬は1年間に約4歳ずつ、大型犬は1年に約7歳(中型犬は体格による)も歳を重ねるため、半年に1回の健康診断が必要です。
シニア犬の体調は半年単位でも大きく変化することがます。
症状が現れてから病院に行くよりも、半年に1回以上の定期健診を行うことで、早期発見・早期治療につなげられる可能性が高まります。
老犬の不調の初期症状は「歳をとったから仕方がないかな?」と思いがちな変化が多く、特に認知症などの病気は見逃しやすいため、専門家である獣医師の診察が重要です。
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老犬 脳ケアに関するよくある質問(Q&A)
Q1. 老犬 脳ケアは何歳から始めればいい?
一般的には7歳頃からシニア期とされるため、7歳を目安に始めると安心です。大型犬はもっと早めのケアが推奨されます。
Q2. 脳ケアサプリは本当に効果があるの?
劇的な改善ではなく、認知機能の維持や進行抑制に役立つと考えられています。
ただし、お薬のような副作用がなく、他の薬やサプリメントと併用できたり、アレルギーの心配が少ないケースがほとんどです。
ただし、いろいろな製品があるなかで「安心できる製品が分からない」「どれを選んだらよいのか分からない」場合は、動物病院で取り扱われているようなエビデンスがしっかりしている製品を選ぶと安心です。
動物病院では、愛犬の体調に合わせたものを一緒に選んでくれます。
ぜひ一度、相談してみましょう。
Q3. 認知症が始まってしまったらもう手遅れ?
認知症は完治しない病気ですが、手遅れではありません。
生活環境の工夫やサプリ、脳トレを取り入れることで進行を遅らせ、快適に過ごせる時間を延ばすことができます。
できる限り早めに対処してあげることが大切です。
まとめ|老犬の脳ケアで大切な毎日を守ろう
老犬の脳ケアは、認知症の予防や進行抑制、生活の質の維持に欠かせない大切な習慣です。
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脳ケアは栄養(食事・サプリ)、脳トレ、運動、生活環境の工夫がポイント
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半年に1回以上の健康チェックで早期発見・早期対応
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飼い主さんとのコミュニケーションが何よりの脳ケア
「うちの子もそろそろシニア期かな?」と思ったら、今すぐできる脳ケアを始めることが大切です。
愛犬の健やかなシニアライフのために、今日から少しずつ取り入れてみてください。
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執筆者:土田(トライザ株式会社 動物看護師)