犬の後ろ足がヨロヨロする原因は?対処法や受診の目安を動物介護士が解説
愛犬の後ろ足がふらついたてヨロヨロしているのを見ると、心配になる飼い主さんが多いのではないでしょうか。
実際、私も高齢の愛犬が突然ふらつくようになったときは、不安になって動物病院に駆け込んだものです。
実は、犬の後ろ足がふらついてヨロヨロするときは大きな病気が原因のこともあり、様子を見ていてはいけないこともあります。
そこで今回は、動物介護士やペットセーバーの私が、犬の後ろ足がヨロヨロする原因と自宅での対処法、動物病院を受診すべき目安について解説します。
【執筆者保有資格】 動物介護士、ペットセーバー、ペットフーディスト、犬の管理栄養士 他 |
犬の後ろ足がヨロヨロするときに考えられる3つの原因
犬の後ろ足がふらついてヨロヨロするときは、さまざまな原因が考えられます。
私の愛犬も病気が疑われてMRI検査を受けましたが、結局は老齢性のふらつきでホッとしたものです。
しかし「MRI検査をする」ということからもわかるように、後ろ足のふらつきの原因は加齢だけではありません。
最初に、犬の後ろ足がヨロヨロする主な原因について確認しておきましょう。
加齢によるもの
犬はシニア期に入ると筋力や関節機能が低下するため、特に後ろ足がふらついてヨロヨロすることがあります。
特に立ち上がるときや運動後に震えたり、ふらついたりすることが多いのではないでしょうか。
加齢による後ろ足のふらつきは自然な変化なため、それ自体が病気ということではありません。
しかし、私の愛犬のように突然ふらついたりすることはほとんどなく、急にヨロヨロすることが見られるようになったときは、病気の可能性が高いといえます。
犬の震えについては、以下の記事もチェックしてみてくださいね⇩
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病気によるもの
犬の後ろ足がふらついてヨロヨロする原因として、もっとも注意が必要なのが病気です。
■ ふらつきで考えられる病気
・椎間板ヘルニア |
適切な治療が必要なものも多く、そのままにしてしまうと命にかかわることもあります。
ケガや慢性的な痛みによるもの
滑ったり、段差から落ちたりして後ろ足をひねったり、どこかにぶつけて痛めたりすると、痛めた足をかばってヨロヨロすることがあります。
特にフローリングなどの滑りやすい床では、関節や筋肉、腱などを傷めるリスクが高くなるため注意が必要です。
関節炎は若い頃から発生する病気で、慢性的な痛みをともなうケースも。
体重が重すぎたり、老化によって悪化することが多いものの、飼い主さんが気づきにくい病気のひとつでもあります。
また、散歩中の急なダッシュや階段の上り下りで足を捻挫していることも珍しくありません。
飼い主さんが気が付かないうちにケガをしていないか、痛みを感じていないかをよく観察したり、よく分からない場合は動物病院で健康診断を受けてみてもよいでしょう。
犬の後ろ足がヨロヨロするときの対処法
愛犬の後ろ足がふらついてヨロヨロしているときは、落ち着いて様子を見ることが大切です。
ここでは、犬のふらつきを悪化させないための基本的な対処法をご紹介します。
無理に歩かせず安静にさせる
愛犬がヨロヨロしていたら、できる限り安静にしてもらうためにケージなどに入れてあげることが大切です。
無理に歩かせてしまうと、症状を悪化させてしまうことにもつながります。
このとき、飼い主さんの自己判断で、愛犬の後ろ足を包帯などで保護しないようにしましょう。
犬の状態によっては、保護した部分を気にして無理な動きをし、状態を悪化させてしまうことがあります。
※状態によっては適度な運動が必要なケースもあるため、動物病院の指示に従いましょう
滑りにくい床にする
犬の足が滑らないように、床にコルクマットやタイルカーペットなどを敷いてあげましょう。
フローリングなどの滑りやすい床は、犬の後ろ足のふらつきを悪化させる要因のひとつです。
特に老犬は後ろ足が弱っていることが多く、滑りやすい床は転倒やケガのリスクも高くなります。
犬の足腰にやさしい環境を整えてあげることは、若い犬にとってもケガや関節の病気の予防につながります。
関節や筋肉の維持に必要な栄養を補ってあげる
犬の後ろ足のふらつきが見られるときは、関節や筋肉の健康をサポートする栄養素を意識してあげることも大切です。
■ 関節や筋肉の健康をサポートする主な成分
【関節】 【筋肉】 |
これらの成分は食事で十分な量を摂取するのは大変なので、サプリメントなどで効率よく補ってあげると良いでしょう。
また、筋肉の維持には良質なタンパク質が欠かせません。
食事内容を見直し、必要であれば肉や魚を追加してあげることをおすすめします。
ただし、病気によってはタンパク質の制限が必要になることもあるため、食事内容は獣医師に確認すると安心です。
老犬はサルコペニアやフレイル対策も重要!
老犬の後ろ足のふらつきには、筋力の低下を指す「サルコペニア」や、心身ともに衰えていく状態を指す「フレイル」が関係していることがあります。
これらは単なる加齢とは異なり、進行すると認知機能や生活の質にも深刻な影響を与えるため、早めの対策がとても大切です。
特にフレイルは体力や筋力の低下だけでなく、認知機能の低下や生活意欲まで衰えた状態で、放置すると認知症や寝たきりになってしまう恐れもあります。
人間でも、フレイルは健康な状態と要介護の状態の中間の段階の状態として、いかにフレイルを食い止めるかが重要だと考えられているものです。
サルコペニアやフレイルの対策には、筋肉や関節の健康を保つ栄養素に加えて、脳の健康を保つ栄養素を補ってあげることが重要です。
■ 脳の健康をサポートする主な成分
・ポリフェノール(グネチンC、アントシアニンなど) |
老犬になるとたくさんのサプリメントを飲ませることも難しくなってきます。
そのため、脳や筋肉など、老犬に必要なサポート成分が複数含まれているものを選ぶと、愛犬の負担も少なくなるでしょう。
なお、犬用のサプリメントはさまざまな種類が販売されていますが、動物病院でも取扱いがあるようなエビデンスがあるものを購入することをおすすめします。
犬の認知症については、以下の記事をチェックしてみてくださいね⇩
動物介護士が解説|犬の認知症の症状は?予防や対策方法 |
動物介護士が解説|犬の認知症を治すことはできる?治療法やできるサポート |
犬の後ろ足がヨロヨロするときの動物病院を受診する目安
愛犬の後ろ足がふらついてヨロヨロしていると、すぐに病院に行くべきか様子を見ていてもいいのかを悩む飼い主さんも多いでしょう。
ここでは、動物病院を受診する目安や受診するときのポイントについて解説します。
すぐに動物病院を受診すべきケース
基本的に、後ろ足がふらついてヨロヨロしている状態は、何か異常が起きていることが多いです。
そのため、ふらついたりよろけることが見られたときは、早めに動物病院を受診することを強くおすすめします。
特に、以下のような症状が見られる場合は、緊急性が高いので早急な受診が必要です。
- 強い痛みを抱えている
- 立てなくなる、歩けなくなる
- 尿や便がうまく出せない
- 頭が傾いている、目が左右に揺れる(眼振)
- 意識がもうろうとしている、反応が鈍い
- 食欲がなく、ぐったりしている
- ふらつきが急に始まった など
犬の後ろ足のふらつきは、さまざまな病気が原因で起こることもあり、なかには命にかかわる病気もあります。
ある程度、様子を見ていても大丈夫なケース
以下のような症状は様子を見ていても問題がないこともありますが、症状の経過をしっかり観察することが大切です。
- 運動後や長時間寝たあとの一時的なふらつき
- どこかにぶつけたあとの一時的なふらつき
- 加齢による筋力低下のふらつき など
ただし、加齢によるふらつきはサルコペニアやフレイルの可能性もあるため、一度動物病院を受診しておくことをおすすめします。
体調は急に変化することもあるため、その後の様子もよく観察しましょう。
動物病院を受診するときのポイント
動物病院を受診するときは、
- いつからふらつきが見られるようになったか
- きっかけはあったか
- どんなタイミングでふらつくのか
- そのほかに見られる症状はないか など
を獣医師に伝えることで、診断のサポートになります。
できれば、ふらついたりヨロヨロしている様子を動画に撮っておき、獣医師に見てもらうと診察時に役立ちます。
まとめ
犬の後ろ足がヨロヨロする原因は、加齢による自然な筋力の低下だけでなく、ケガや病気、神経の異常など、さまざまなことが考えられます。
なかにはすぐに動物病院を受診する必要がある場合もあるため、ふらつきの程度や愛犬の様子をよく観察し、適切に対処してあげることが大切です。
床の見直しやサプリメントの活用など、飼い主さんができるサポートはたくさんあります。
早めにケアしてあげることで、愛犬の健やかな毎日を支えることにつながるでしょう。
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執筆者:高田(動物介護士)