老犬の性格は変わる?性格変化の原因と対処法を動物介護士が解説
老犬になると性格が変わることがありますが、愛犬の性格の変化にとまどっている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
急に怖がりになって不安を感じやすくなったり、逆に怒りっぽく興奮しやすくなったり、何にも興味を示さなくなったり…歳を重ねることで、若い頃と違う反応を示すようになって飼い主さんが「性格が変わったかも」と思うケースは、実は多いんです。
老犬の性格が変わる理由は加齢や病気、環境などさまざまなことが考えられ、原因に合わせて適切に対処してあげることが大切です。
今回は、高齢の愛犬たちと暮らしていた動物介護士の私が、老犬の性格が変わる原因や対処法を解説します。
性格が変わった愛犬とどう向き合えばいいのか悩んでいる飼い主さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
【執筆者保有資格】 動物介護士、ペットフーディスト、犬の管理栄養士 他 |
老犬になると性格が変わるのはなぜ?主な原因3つ
老犬になると、加齢に伴うさまざまな変化や経験、病気によって性格が変わることがあります。
原因によって対処法も異なるため、愛犬はどれに当てはまるのか考えてみましょう。
加齢による身体的変化
老犬になると、身体のさまざまな機能が衰えるだけでなく、体の不調を抱えやすくなります。
目が見えにくい、耳が聞こえにくい、筋力が低下した、関節炎や内臓の病気で痛みや不快感があるなど、人間と同じように犬も老います。
そのため、不安が強くなり、甘えん坊になったり攻撃的になったり、神経質になったりと性格が変わったように見えることがあるのです。
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加齢にともなう脳の変化やこれまでの経験
人間でも、年を取ると怒りっぽくなることがあるように、犬も加齢による脳の変化やこれまでの経験で性格が変わったように見えることがあります。
加齢とともに脳の機能は低下しますが、前頭葉の機能が低下すると感情のコントロールが難しくなり、我慢ができなくなったり頑固になったり、不安を感じやすくなるケースがあるのです。
さらに、これまでの経験から、どうすれば自分の要求が通りやすいかを学習し、要求を通すために甘えてみたり怒ってみたりします。
こうした変化を「性格が変わった」と感じる飼い主さんも少なくありません。
認知症を発症している
老犬の性格が変わる原因として、見逃してはいけないのが認知症です。
認知症は、記憶力や判断力などの認知機能が著しく低下する進行性の疾患で、自然な老化にともなう変化とは異なります。
初期症状は「寝ている時間が増えた」「ボーっとしていることが増えた」など「歳をとったからしょうがないかな?」と思うような変化ばかりでわかりにくく、気づかないうちに進行していきます。
進行すると夜鳴きや徘徊、トイレの失敗といった症状がみられるほか、これまで温厚だった犬が急に攻撃的になったり、甘えん坊だった犬が無関心になったりなど、性格そのものが変わってしまったように見えることも珍しくありません。
犬の認知症については、こちらの記事もご覧ください⇩
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性格が変わった老犬への対処法
老犬の性格が変わると、どう向き合ったら良いのか、とまどう飼い主さんも多いです。
ただ多くの場合、表面的な行動や反応が変わっても、犬の根本的な性格そのものは大きく変わらないと考えられています。
そのため、適切に理解して対処してあげることで、愛犬との関係を良好に保つことができるでしょう。
動物病院を受診する
老犬の性格が変わる原因は、痛みや体の不調、認知症などの病気も考えられます。
そのため、性格に変化がみられたら、まずは動物病院を受診することが大切です。
もし、痛みや不調から性格が変わったように見えていた場合では、適切な治療を行うことで普段の愛犬に戻ることもあります。
また、老犬は年を重ねるごとにさまざまな病気のリスクが高まるため、半年に1回の定期的な健康チェックも行うようにしましょう。
快適に過ごせる環境をつくる
老犬はさまざまな体の機能が低下することから、動きづらさや痛みを感じることが多くなります。
これがストレスとなって性格が変わったように見える場合もあるため、快適に過ごせる環境をつくってあげることが大切です。
たとえば、滑りやすい床には滑り止めマットを敷いたり、段差にスロープを設置したりすることで、転倒や足腰の負担を減らしてあげることができます。
また、体圧分散マットで体にかかる負担を軽減したり、寝床やトイレの場所は動きやすい場所に配置したりするなど、どうすれば過ごしやすいかを常に考えてあげると良いでしょう。
接し方にも配慮する
老犬は、感覚機能の低下(目や耳など)や不安から、急に触ったり急に大きな声を出されると戸惑ったり恐怖心を抱くことがあります。
そのため、優しい声で話しかけたり、声掛けしてから触れてあげることが大切です。
飼い主さんが穏やかに接してあげることで老犬が安心し、性格の変化が落ち着くこともあります。
認知症による老犬の性格の変化にできる3つのサポート
認知症は治療法がなく、発症すればどんどん進行していく病気です。
認知症の進行を止めることはできませんが、ケアをしてあげることで進行を緩やかにしたり、症状を和らげたりできる可能性はあります。
また、発症前からケアを行うことで予防面でも役立つケースがあります。
穏やかな日々を送れるようサポートしてあげることは、性格の変化も落ち着くことが期待できるため、ぜひ実践してみてください。
脳を刺激する遊びを取り入れてあげる
認知症は、刺激が少ないと進行が早まりやすくなります。
そのため、脳を刺激する遊びを取り入れて、脳細胞を活性化させてあげましょう。
おやつを隠して探してもらうノーズワークや、フードなどを中に入れて自分で取り出してもらう知育トイなどを活用したり、飼い主さんと一緒に遊べるおもちゃがおすすめです。
あまりおもちゃに反応しない場合では、散歩コースを変えてみるだけでも脳の刺激になります。
日光浴を兼ねた適度な運動をさせてあげる
外の空気に触れることは、老犬にとって良い気分転換になるだけでなく、脳の刺激や睡眠リズムを整えることにもつながります。
特に朝や日中の散歩は、日光を浴びることで体内時計を整え、昼夜逆転の予防にも役立ちます。
足腰の負担がある犬には、室内やベランダで15〜30分程度日光浴をさせてあげたり、カートなどを活用して連れ出してあげると良いでしょう。
無理に運動させるのではなく、「気持ちよく外の空気を感じる」時間を意識してつくってあげることが大切です。
昼夜逆転については、以下の記事もチェックしてみてくださいね⇩
犬が昼夜逆転するのはなぜ?考えられる原因や治す方法を解説 |
脳の健康に必要な栄養を補ってあげる
脳・老化ケアのための犬用サプリメント「トライザ」
そもそも認知症は、活性酸素が増えすぎてしまうことによる酸化ストレスや、神経細胞の機能維持に重要なタンパク質「神経栄養因子」の減少が主な原因と考えられています。
そのため、脳の健康に必要な栄養を、サプリメントで効率よく補ってあげましょう。
■ 脳の健康におすすめの成分
・ポリフェノール(アントシアニン、グネチンCなど) |
実際、私の高齢の愛犬(享年18歳)が認知症と診断されてさまざまなサプリメントを試しましたが、グネチンCとバングレンが配合されたものは、愛犬に合っていたのか症状や性格の変化が落ち着いていました。
もちろん、体質によってどのサプリメントが合うかは異なりますが、愛犬の体質に合うサプリメントを見つけることができれば、脳の健康のサポートに役立つでしょう。
なお、犬の脳ケア用サプリメントはさまざまなものが販売されていますが、エビデンス(科学的根拠)がないものもあるため、動物病院で販売されているようなしっかりとした製品を選ぶことが大切です。
【犬用サプリメント】トライザの口コミ評判は?定期購入してわかったメリット・デメリットも紹介! |
まとめ
老犬の性格が変わったように見えると、飼い主さんはとまどいや不安を感じるでしょう。
老犬の性格の変化には、は加齢による心身の変化や、認知症、痛みなどが影響していることも少なくありません。
実際、私の愛犬は認知症を発症し、我慢できていたことができなくなったり、無関心になることが増えるなど、それまでとは違う様子に最初はとまどいました。
しかし、どんなに性格が変わったように見えても、大切な愛犬に変わりはありません。
大切なのは、そうした変化を「困ったこと」として捉えるのではなく、正面から受け止めてやさしく寄り添ってあげることです。
性格が変わる背景にある原因を理解して、今できるサポートをしていきましょう。
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執筆者:高田(動物介護士)