老犬でもできる嗅覚トレーニングとは?ノーズワークのやり方と注意点を解説
老犬になると、寝ている時間が増えたり、家で過ごす時間が増えたりしてきますね。
体に負担をかけないように配慮してあげる一方で、刺激が少なくなっているのではないかと感じる飼い主さんも少なくありません。
犬は周囲の状況を主に匂いで把握しているため、嗅覚トレーニングで匂いを探す行動を取り入れてあげると、満足感を得やすくなります。
また、嗅ぐという行動は脳を使う活動でもあり、心身の健康を保つことにもつながります。
実際に、私も高齢の愛犬たちに元気で過ごしてもらいたいと思い、ノーズワークを日課にしていましたよ。
そこでこの記事では、動物介護士の私が、老犬でもできる嗅覚トレーニングとノーズワークのやり方や注意点を解説します。
| 執筆者:高田
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そもそも老犬の嗅覚は低下する?加齢の影響は受ける
嗅覚は老犬でも比較的保たれやすいですが、他の感覚よりは保たれやすいというだけで、嗅覚も加齢の影響は受けます。
老犬の嗅覚が低下するのは、加齢による自然な変化で、特別なことではありません。
【老犬の嗅覚低下が疑われるサイン】
- 近くにあるフードに気づかない
- 鼻先に近づけてもすぐに食べない
- 好きなおやつの匂いへの反応が弱くなる
- 床に落ちた食べ物を探さなくなる など
多くの場合は、匂いを感じ取れないのではなく、匂いに気づくまでに時間がかかる状態です。
老犬になると、体の細胞の修復や入れ替わりの働きがゆるやかになります。
加齢によって嗅覚を感じ取る細胞や脳に情報を伝える神経の反応速度が落ちたりすることで、若い頃より匂いの認識に時間がかかるようになるのです。
さらに、嗅ぐ機会が減るとさらに反応が鈍くなりやすく、逆に嗅ぐ機会を適度に保つことで、日常生活の中で感覚を使い続けやすくなります。
ただし、嗅覚が急に低下した場合や、くしゃみや鼻水を伴う場合は、加齢以外の原因が関係していることもあるため、無理にトレーニングを行わず、動物病院を受診しましょう。
老犬に嗅覚トレーニングをするメリット
嗅覚トレーニングは、体力が落ちてきた老犬でも取り入れやすい活動のひとつです。
ここでは、老犬に嗅覚トレーニングをするメリットを見ていきましょう。
犬の本能行動を満たせる
老犬に嗅覚トレーニングを行うことで、行動欲求を満たしやすくなります。
犬にとって匂いを嗅ぐということは、情報収集や安全確認といった本能的な行動です。
老犬では体が動かしにくくなっても、環境を確かめたいという行動欲求は残ることがあります。
室内でも嗅ぐ機会があると行動の目的が生まれ、寝てばかりの状態ではなくなったり、目的のないうろつきが減ったりすることも少なくありません。
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刺激不足を解消できる
老犬の嗅覚トレーニングは、刺激不足を解消できるというメリットもあります。
老犬になると、どうしても散歩の距離や活動範囲が狭くなり、生活の中で受ける刺激が少なくなりがちです。
刺激が少ない状態が続くと脳を使う機会が減り、脳の萎縮が進んでしまいます。
脳の萎縮が進むと、認知機能の低下や認知症の進行を早めてしまうこともあるため、適度に刺激を与えてあげることは大切です。
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体に負担をかけずに行える
嗅覚トレーニングは、歩き回る必要がなく立ったままや伏せた姿勢でも行えるため、体に負担をかけずに行えます。
老犬では筋力や関節の働きが低下しやすく、長い距離を歩いたり同じ姿勢を保ったりすることが負担になることも少なくありません。
無理に運動量を増やすと体調不良の原因になることもあるため、老犬の体力に合わせて調整しやすいのは嬉しいポイントでしょう。
老犬でもできるノーズワーク(嗅覚トレーニング)のやり方
ノーズワークは特別な訓練ではなく、匂いを探す行動を日常の中に取り入れる嗅覚トレーニングです。
老犬では上手に探させることよりも、無理なく続けられることが大切になります。
ここでは、老犬でもできるノーズワークのやり方を解説します。
①基本の嗅覚トレーニング
最初はフードを1粒手に持って見せ、愛犬の目の前の床に置きます。
置いた場所が分かる距離から始め、匂いに気づいて自分で見つけられたらすぐ食べさせてあげましょう。
このとき、探させようと声をかける必要はありません。
慣れてきたら、少しだけ離れた場所に置くようにして、距離を広げていきます。
見つけられない場合は難易度が高いということになるため、必ず成功できる位置に戻してください。
なお、最初は嗅ぐ前に目で探しても問題はないですよ。
②タオルを使う嗅覚トレーニング
老犬の嗅覚トレーニングは、タオルを使用しても行うことができます。
タオルの上にフードを置き、軽く折りたたんでフードを隠しましょう。
強く包まず、鼻先で動かすと見つかる程度にしておくのがポイントです。
フードを取り出せない状態が続くと意欲が下がってしまうため、見つけられないときは手助けしてあげてください。
ただし、タオルを噛んで破ってしまうと誤飲のリスクが高まるため、必ず見守りながら行うようにすることが大切です。
③手のひらを使った嗅覚トレーニング
移動することが難しい老犬や認知機能が落ちている老犬では、手のひらを使った嗅覚トレーニングがおすすめです。
まず、片方の手にフードを隠し、愛犬の鼻先に近づけます。
匂いのある方の手に鼻を近づけたり、触れたりしたら手を開いて食べさせてあげましょう。
最初は両手を近づけた状態から始め、慣れてきたら少しだけ離します。
歩く必要がないため体への負担が少なく、立っている時間が短くなってきた老犬でも取り入れやすいでしょう。
④ノーズワークマットを活用する
市販されている、ノーズワークマットを活用してもいいでしょう。
ノーズワークマットは、布のすき間にフードを隠し、匂いを頼りに探してもらうアイテムです。
歩き回る必要がなく、その場で嗅ぐ行動を続けられるため、移動が負担になりやすい老犬にも取り入れやすいでしょう。
最初はフードが見える位置や浅い部分に置き、すぐ見つけられる状態から始めます。
使用中は誤飲を防ぐため目を離さず、短時間で終えることが大切です。
実際に、私の高齢の愛犬たちも毎朝5分程度、ノーズワークマットでおやつを食べてもらっていましたよ。
難しくすることが目的ではないため、愛犬が必ず成功できる難易度に調整してあげてくださいね。
老犬の嗅覚トレーニングを安全に行うための注意点

短時間で終える
老犬の嗅覚トレーニングは、5〜10分を目安に短時間で終えましょう。
長時間続けると、老犬の疲労や意欲低下につながってしまうことがあります。
「嗅ぐ」という行動は集中を必要とし、脳を活発に使っている状態です。
そのため、長く続けることは負担となるため、疲れ切る前に切り上げることが大切です。
滑り止めマットを敷く
老犬の嗅覚トレーニングを行うときは、滑りにくい場所で行うか、滑り止めマットを敷きましょう。
フローリングなどの滑りやすい床は足元が安定せず、関節や腰に負担をかけてしまいます。
老犬は後ろ足の筋力が低下していることも多く、姿勢を保てずに転倒してしまうこともあるため、カーペットや滑り止めマットを敷いてあげることをおすすめします。
見つからない状況を作らない
嗅覚トレーニングは、老犬が必ず見つけられる難易度で行いましょう。
見つけられない状態が続くと、意欲が低下して嗅覚トレーニングそのものへの興味を失ってしまうこともあります。
最初はすぐに見つけられる場所から始め、探せなくなってしまったときは見つけられる場所まで戻してください。
興奮したら中止する
嗅覚トレーニング中に老犬の興奮が強くなったときは、いったん中止しましょう。
興奮した状態で続けると、老犬の体への負担が大きくなってしまうことがあります。
1日に必要な摂取カロリーの中で行う
嗅覚トレーニングで使うフードやおやつは、老犬が1日に必要な摂取カロリーに含めて考えましょう。
普段与えている食事やおやつのほかに追加で与えてしまうと、カロリー過多となって肥満の原因につながってしまいます。
あらかじめ与えているフード量から取り分けて使用するなど、カロリー管理も行うことが大切です。
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老犬の嗅覚トレーニングを行わないほうがよい場合と受診の目安
老犬に以下のような様子が見られる場合は、無理に嗅覚トレーニングを行わず、まずは動物病院を受診しましょう。
- 鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状がある
- フードを鼻先に近づけても気づかない
- 急に匂いへの反応が弱くなった
- 同じ方向にぐるぐる回る、ぼんやり立ち尽くすなどの様子がある
- 発作やふらつきがある
- 元気がない
- 急に寝てばかりになった、元気がないなど体調の変化がある など
こうした症状は、鼻の疾患や脳の疾患、神経の異常などが関係していることもあります。
早急に治療が必要な場合もあるため、動物病院の受診を優先することをおすすめします。
まとめ

老犬の嗅覚トレーニングは、犬の本能欲求を満たしたり、適度な刺激を脳に与えてくれるため、心や体の健康維持にもつながります。
老犬の体に大きな負担をかけずにできるため、取り入れやすいでしょう。
実際に私の愛犬たちは、ノーズワークマットを見ると嬉しそうに鼻を突っ込んでクンクンしてくれていましたよ。
今回ご紹介したやり方を参考に、老犬が100%成功できるような、ごく簡単なことから始めてあげてくださいね。
