ハイシニア犬の睡眠時間はどれくらい?目安や注意点を動物介護士が解説
ハイシニア期に入った愛犬が、以前より寝ている時間が増えると、「こんなに寝るのは大丈夫なの?」「どこか調子が悪いのかな?」と心配になりますよね。
もともと犬は人間よりも多くの睡眠時間を必要としますが、ハイシニア犬では若い頃よりも睡眠時間が長くなる傾向にあります。
しかし、その睡眠時間の長さには病気が関係していることもあり、単に年齢のせいと片付けてしまうのは注意が必要です。
この記事では、動物介護士の私が、ハイシニア犬の睡眠時間の目安や気をつけたいポイント、睡眠環境の整え方について解説します。
愛犬に良質な睡眠を取らせてあげるためにも、ぜひ参考にしてください。
| 執筆者:高田 【保有資格】 動物介護士、CPD認定 Canine Cognitive Dysfunction(CCD)修了、ペット終活アドバイザー、ホリスティックケア・カウンセラー、ペットフーディスト ほか |
そもそもハイシニア犬って何歳から?明確な基準はない
実は犬のシニア犬やハイシニア犬には、明確な基準がありません。
とはいえ、一般的には以下のように考えられています。
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シニア犬(中高齢期) ・超小型犬・小型犬…7歳頃~ ハイシニア犬(後期高齢期) ・超小型犬・小型犬…11歳頃~ |
寿命の3分の2を過ぎた頃がハイシニア犬とされていますが、老化のスピードは犬によって大きく異なります。
同じ12歳でも、元気に走り回る犬もいれば、介護が必要になる犬もいるため、年齢だけで判断することはできないのです。
ハイシニア犬の睡眠時間の目安
ハイシニア犬の睡眠時間は、18〜20時間ほどです。
もともと犬の睡眠時間は長く、1日の半分以上を寝て過ごします。
| 【犬の睡眠時間の目安】
・子犬…18~20時間 |
もちろん、睡眠時間にも個体差があり、ハイシニア犬によっては20時間以上寝ることもあります。
ただし、長時間寝ることは加齢の変化による自然なことですが、いつもより明らかに短い・長い場合は注意が必要です。
なぜハイシニア犬はたくさん寝るの?体の変化に関係する5つの理由
では、なぜハイシニア犬はたくさん寝るのでしょうか。
ハイシニア犬の睡眠時間が長くなるのは、年齢とともに起こる体や脳の自然な変化が大きく関係しています。
ここでは、ハイシニア犬がたくさん寝るようになる理由を、1つずつ見ていきましょう。
①もともと犬は浅い眠りが多い生きものだから
犬は、寝たり起きたりを1日の中で何度も繰り返す睡眠を取る生きもので、人間と比べて浅い眠りが多いという特徴があります。
これは、周囲の危険にすぐに対応できるようにするために、完全に熟睡する時間が少ないという犬本来の本能です。
そのため、体を十分に回復させるために、長い睡眠時間が必要となるのです。
②睡眠のリズムが乱れやすくなるから
ハイシニア犬になると、活動量の低下や脳の働きの低下などによって、体内時計が狂いやすくなります。
その影響で睡眠のリズムが乱れやすくなり、夜中に何度も目が覚めたり、昼間にウトウトとする時間が増え、寝ている時間が長くなったように見えることがあるのです。
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③深い眠りが減って疲れが取れにくくなるから
ハイシニア犬では、脳の働きの変化や睡眠ホルモンの分泌低下、関節の違和感や体温調節機能の低下などが重なり、深い眠り(ノンレム睡眠)を維持しにくくなります。
ノンレム睡眠は、筋肉の修復や免疫機能の維持、脳の疲労回復などに深くかかわる大切な時間ですが、この時間が短くなると長く眠っても疲れが十分に取れません。
それによって疲れがたまりやすくなり、それを補うためにさらに睡眠を必要とするようになるのです。
④視覚や聴覚などの刺激が減っていくから
ハイシニア犬になると、視力や聴力、嗅覚などの感覚機能が少しずつ衰えていきます。
外から入ってくる刺激が少なくなると、周囲への興味や反応が弱くなり、起きていても特にやることがない時間が増えて、自然と休んだり眠ったりする時間が長くなっていくのです。
⑤基礎代謝が低下して省エネ状態になりやすいから
ハイシニア犬は基礎代謝が低下するため、若い頃のようにエネルギーを生み出しにくくなります。
そのため、無理に活動するよりも、体力を温存しながら過ごすようになるのです。
また、体温調節の働きも弱くなり、体が体温を保つために自然と睡眠を優先するようになります。
ハイシニア犬の睡眠時間の変化で気をつけたいポイント
ハイシニア犬の睡眠時間が長い理由は、加齢に伴う自然なものだけとは限りません。
ここでは、睡眠時間の変化で気をつけたいポイントについて解説します。
寝すぎは病気や認知症が隠れていることもある
ハイシニア犬が極端に寝ている時間が増えた場合、体調不良や病気が関係している可能性も否定できません。
たとえば、心臓病や腎臓病、内分泌疾患、慢性的な痛みなどがあると、体が疲れやすくなり、寝ている時間が増えることがあります。
また、認知機能が低下すると、昼夜の区別がつきにくくなり、昼間にずっと寝ているということが起こります。
「年だから仕方がない」と思い込まず、明らかに寝すぎている場合は注意が必要です。
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睡眠不足は健康リスクが高まる
逆に、十分に眠れていない状態が続くことも、ハイシニア犬に負担がかかります。
| 【睡眠不足が続くリスク】
・ストレスがたまる |
睡眠時間が短いということだけでなく、しっかり質の良い睡眠が取れているかという視点で見てあげることが大切です。
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急な睡眠時間の変化は獣医師に相談する
ハイシニア犬の睡眠時間が、急に増えたり減ったりした場合は、早めに獣医師にご相談ください。
睡眠時間の急な変化は、体の不調や病気が原因の可能性もあります。
日頃から愛犬の睡眠時間や生活リズムを把握しておくことで、小さな変化にも気づきやすくなるでしょう。
少しでも違和感を覚えたときは、自己判断せずに動物病院を受診することが大切です。
ハイシニア犬に快適な睡眠環境の整え方
ハイシニア犬にしっかりと良質な睡眠をとってもらうためには、睡眠環境も重要です。
ここでは、ハイシニア犬に快適な睡眠環境を整えるポイントについて解説します。
硬すぎず柔らかすぎない寝床を選ぶ
ハイシニア犬は、関節や筋肉に負担がかかりやすくなっています。そのため、体をしっかり支えられる寝床を用意することが大切です。
硬すぎる寝床は体の一部に負担がかかりやすく、柔らかすぎる寝床は体が沈み込みすぎて寝返りが打ちにくくなります。
体圧を分散させる高反発と低反発の二層構造になっているタイプを選んであげると、体の負担が軽減されて良いでしょう。
夏は涼しく冬は暖かくなるように室温を保つ
体温調整が難しくなるハイシニア犬にとって、室温管理はとても重要です。暑すぎても寒すぎても、眠りが浅くなります。
夏はエアコンを活用して涼しい環境を保ち、冬は暖房や毛布などで冷えを防いであげましょう。
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【ハイシニア犬に快適な室温・湿度の目安】
室温…25℃前後 |
また、床からの冷えや風当たりにも配慮し、快適に過ごせる場所に愛犬の寝床を用意してあげることも大切です。
散歩や気分転換でメリハリのある生活を送らせてあげる
ハイシニア犬に無理のない範囲で、散歩や遊びを行うことも良質な睡眠に欠かせません。
適度な刺激や運動がないと、体にほどよい疲れがたまらないため、夜に眠りにくくなります。
活動する時間と休む時間の区別をつけてあげると、メリハリのある生活になるでしょう。
ただし、ハイシニア犬にとって、疲れすぎるほどの運動や過度な刺激は逆効果になってしまいます。その日の体調や、愛犬の状態に合わせて行ってあげることが大切です。
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適度な日光浴をさせてあげる
適度な日光浴は、ハイシニア犬の体内時計を整えたり、良質な睡眠につなげるために大切なことです。1日15分程度の日光浴をさせてあげましょう。
日光を浴びることで、脳内では幸せホルモンの1つである「セロトニン」の分泌が促されます。
セロトニンは心や体を安定させてくれるだけでなく、夜になると睡眠ホルモンの「メラトニン」の材料になり、体内時計の調整や睡眠の質を向上させることにも役立ちます。
しかし、メラトニンは年齢とともに分泌量が減るため、適度な日光浴をすることが睡眠の質を保つうえでも大切なのです。
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まとめ

ハイシニア犬は、加齢による体や脳の変化によって、睡眠時間が長くなるのは自然なことです。
しかし、急な睡眠時間の変化や、明らかに寝すぎ・寝なさすぎが見られる場合は、病気の可能性もあるので早めに動物病院を受診しましょう。
ハイシニア犬にとって、睡眠はとても大切な時間です。
睡眠環境を整え、愛犬にしっかりと眠ってもらってくださいね。
