痩せてしまった老犬の体重を増やしたい!体重が増えない理由や対処法を解説
老犬は高齢になってくると、老化による自然現象や病気などで痩せてしまうことは珍しくありません。
しかし、痩せすぎると体力や免疫力の低下などさまざまなリスクがあるため、少しでも体重を増やしてあげるための工夫が大切です。
とはいえ、「なかなか体重が増えなくてどうしたらいいのか…」と悩んでいるのではないでしょうか。
実際、私も痩せてしまった高齢愛犬の体重を戻すために奮闘した時期もあり、他人事には思えません。
そこで今回は、動物介護士やペットフーディストの私が、老犬の体重を増やすためにできることをご紹介します。
体重が増えない理由も解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
老犬の体重が増えない理由4つ
そもそも、老犬になるとなぜ体重が増えにくくなるのでしょうか。
最初に、老犬の体重が増えない理由について理解しておきましょう。
理由が分かっていると、対処もしやすくなりますよ。
① 食事量が足りていない
老犬の体重が増えないときは、そもそもの食事量が足りていないのかもしれません。
ドッグフードのパッケージには給餌量などが書かれていますが、あくまで目安です。
給餌量は年齢や避妊・去勢手術の有無、体型などによって異なります。
愛犬に適切な給餌量はカロリー計算で算出することが可能ですが、痩せすぎている場合では獣医師の指導のもと増量が必要です。
そのため、食事量が適切かどうかを一度獣医師に確認してもらうと良いでしょう。
② 消化吸収能力の低下
老犬になると消化・吸収の働きが低下していきます。
そのため、消化率があまり高くないドッグフードを与えていると、「消化率が低い+消化吸収能力の低下」で十分な栄養が摂取できていない状態になります。
■ドッグフードの消化率(目安)
・フリーズドライフード…98%以上 |
消化率を公表しているドライフードは少ないので選びにくいですが、できるだけ消化しやすいドッグフードを選んであげると良いでしょう。
老犬のドッグフードの選び方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね⇩
専門家が解説|老犬のドッグフードの選び方は?押さえておきたいポイント6つ |
③ 筋肉量の低下(フレイル)
老犬になると寝ている時間が増えるため、若い頃と比べて運動量が低下しがちです。
運動量の低下にともなって筋肉量も緩やかに低下していきます。
突然ですが「フレイル」という言葉をご存じでしょうか。
2014年に日本老年医学会により「健康な状態と要介護の中間を指す言葉」として提唱され、近年では老犬のケアにあたっても使われるようになった言葉・考え方です。
フレイルは、長期的な負のサイクルを起こすことで身体が虚弱になっていきます。
■ フレイルサイクル(負のサイクル) 1. 加齢とともに活動量が減る 2. エネルギー必要量が減って食事量が減る 3. 活動量と食事量が減って体重(筋肉量)が減る 4. 筋肉量の減少で活動量がさらに減る |
フレイルが進行すると日常生活なサポートや介護が必要になってくるため、生活に必要な筋肉量を落とさない・維持する生活を意識することが大切です。
④ 栄養を吸収できない病気にかかっている
しっかり食べているのに老犬の体重が増えない場合、栄養を吸収できない病気にかかっている可能性もあります。
■ 栄養が吸収できない主な犬の病気 膵外分泌不全 …消化に必要な消化酵素などの産生が不十分でほとんど分泌されなくなる病気 タンパク喪失性腸症(蛋白漏出性腸症) …タンパク質が腸管で適切に吸収されなくなる病気 吸収不良症候群 …消化酵素がほとんど分泌されず、栄養素の吸収も適切にできなくなる病気 |
これらの病気は分かりやすい症状がみられない場合があり、気づきにくいため注意が必要です。
⑤ 病気に栄養を取られている
犬回虫の寄生や悪性腫瘍(がん)など、寄生虫や病気に栄養を取られている場合にも体重が増えないケースがあります。
特に老犬は悪性腫瘍(がん)にかかりやすく、かなり進行するまで症状がないことも珍しくありません。
そのため、「食べているのに体重が増えない・痩せる」といった違和感を飼い主さんが感じている場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
老犬の体重を増やす方法・対処法
老犬が痩せすぎてしまうと体力の低下はもちろん、免疫力や自然治癒力が低下してしまうため、病気の発症や悪化、回復まで長引く、再発、介護状態などさまざまなリスクがあります。
ここでは、少しでも老犬の体重を増やすための方法・対処法をご紹介します。
腹巻きなどを使用する
冷えは胃腸の働きを低下させたり、免疫力を低下させてしまうため、腹巻きなどを使用してお腹と背中を冷やさないようにしてあげましょう。
老犬は体温調整がうまくできなくなってしまいます。
さらに、痩せてしまうことで体温が低下しやすくなるので、室温の管理や腹巻きなどで冷えを防いであげることが大切です。
■ 老犬が過ごしやすい室温・湿度の目安
・室温…25℃前後 |
最近では、犬用の湯たんぽやあずきを使用した温活グッズが販売されているので、そういったものを活用してもいいでしょう。
適度な運動を取り入れる
筋肉量の低下を防ぐため、筋肉の維持や食欲増進のためにも適度な運動を取り入れましょう。
運動することで筋肉中に蓄えられていたエネルギー源が使用され、食欲が増すというメリットもあります。
ただし、老犬の運動は無理をさせない範囲で行うことが大切です。
お散歩に連れ出すことが難しい場合は、室内で柔らかく弾力性のあるクッションやマットなどの上を歩いてもらうと良いでしょう。
また、排泄や食事姿勢を維持するための筋肉トレーニングなども体調に合わせて取り入れてみましょう。
老犬の散歩については、以下の記事で詳しく解説しています⇩
動物介護士が解説|老犬が散歩を嫌がるときはどうする?回数や時間の目安も |
食事内容や回数を見直す
老犬の体重が増えない理由でも触れましたが、老犬は消化吸収能力が低下するため、消化しやすい食事にしてあげることが大切です。
また、老犬は良質なタンパク質や脂質の摂取が重要なため、ドッグフードに使用される食材の品質にもこだわりましょう。
さらに、一度にたくさんの量を与えるのではなく、一日に与えたい量を4~5回に分けてあげることで、消化への負担軽減や一日量の完食にも繋がります。
実際、私の愛犬は体重が4kgで一日に最低250kcalの摂取が必要でしたが、フレッシュフードでは250gほど食べる必要がありました。
しかし、悪性腫瘍(がん)を抱えていたことからその量では体重が減ってしまうため、体重を増やすために食事の回数を5回にして、毎回100g(約500kcal)を食べてもらうことができていました。
もちろん、いきなり食事量を500gに増やしたわけではなく、獣医師に確認しながら少しずつ増やしていきましたが、体重を増やしたり維持することができましたよ。
老犬の食事については、以下の記事も参考にしてみてくださいね⇩
専門家が解説|老犬の食事回数や食事内容は?食事量や注意点も |
老犬の体重を増やすときの注意点
痩せてしまった老犬の体重を増やすことは簡単なことではありません。
ここでは、老犬の体重を増やすときの注意点を解説します。
獣医師に相談しながら取り組もう
老犬が痩せてしまう原因はさまざまですが、病気が関係していることも多々あります。
そのため、老犬の体重を増やしたいときは獣医師に相談しながら取り組むことが大切です。
<h3>老犬に無理をさせない</h3>
体重を増やすためには食事量を増やすことも必要になってきますが、老犬の負担とならないように注意してあげましょう。
あまり量を食べられない老犬では、子犬用や回復期用などのカロリーが高いフードを活用して少量でも栄養が摂れるようにしてあげたり、食事の回数を増やすなど工夫が必要です。
また「食べられない」のか「食べたくない」のかの見極めは難しいですが、食べられない時に無理に食べさせるのも負担となってしまうことがあります。
・食べられない
…体調が悪い |
愛犬の状態を見ながら、慎重に判断してあげましょう。
目標は体重維持に!
健康な老犬であれば、減ってしまった体重を元の体重に戻すことも目指せますが、病気を抱えている老犬では思ったように体重が増えないこともあります。
元の体重まで増やすことができたら一番良いのですが、飼い主さんとワンちゃん双方にとって負担になってしまいがちのため、まずは今の体重が減らないように維持することを目標にしましょう。
飼い主さん自身が根詰めすぎない
愛犬が痩せている姿を見ると、何とか体重を増やしたいと思う気持ちはよくわかります。
食べてほしい量を食べてもらえなかったり食べないことがあると、そればかり考えてしまうこともあるでしょう。
考えない…ということは難しいと思いますが、考えすぎないようにしましょう。
どうしていいか分からないときは、おひとりで悩まずに獣医師や愛玩動物看護師、動物介護士など専門家にご相談くださいね。
老犬が食事を食べないときの対処法は、以下の記事で詳しく解説しています⇩
動物介護士が解説|老犬が食べないときに試してほしい8つのこと |
まとめ
老犬が痩せてしまい、なかなか体重が増えないことは、高齢になるほどよくみられることです。
しかし病気が原因のこともあるため、体重が減ってきたときには、一度動物病院を受診しましょう。
痩せてしまう原因を突き止めて適切に対処してあげることはもちろん、体重を増やすためにできることを行ってあげることで体重を維持したり増やせる可能性があります。
愛犬に元気で長生きしてもらうためにも、痩せすぎないように配慮してあげてくださいね。
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執筆者:高田(動物介護士)