犬の幸せとは?老犬の飼い主さんに知っておいてほしい「老犬の十戒」をご紹介
老犬となった愛犬と暮らしていると、「愛犬は幸せなのだろうか」「どうしたらもっと幸せにしてあげられるかな」と考えることもあると思います。
もちろん、食事や生活環境などさまざまなことに配慮してあげることが大切ですが、「老犬の十戒」を知っておくことでより愛犬に寄り添ってあげることができるでしょう。
今回は、実際に高齢の愛犬たちと暮らしていた動物介護士の私が、老犬の幸せや「老犬の十戒」についてご紹介します。
【執筆者保有資格】
動物介護士、ペットフーディスト、犬の管理栄養士 他 |
「老犬の十戒」とは
犬の目線で10個のお願いを記した「犬の十戒」を知っている飼い主さんは多いでしょう。
「犬の十戒(The Ten Commandments of Dog Ownership)」は作者不明の短編詩ですが、さまざまな国の言葉で綴られたり、映画化されるなど、世界的にも広く知られている詩です。
The Ten Commandments of Dog Ownership(犬の十戒)
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そしてこの「犬の十戒」を、高齢になった愛犬の介護をする飼い主さんがアレンジしたものが「老犬の十戒」です。
老犬の十戒
6. あなたが私にしてくれたことは決して忘れません。 7. 私を叩きたくなることがあるかもしれません。 8. わがままになってしまったと叱る前に、今の私の状況に私も困惑しているのだということをわかってください。 |
この「老犬の十戒」はSNSで話題となり、多くの老犬の飼い主さんの共感を呼びました。
もちろん、犬が何を考え、どう思っているのかは誰にもわかりません。
しかしこの「老犬の十戒」を知ることで、より愛犬に寄り添うきっかけになるのではないでしょうか。
老犬の幸せのためにできること6つ
老犬は、さまざまなからだの機能が衰え、今までできていたことができなくなることもあります。
老犬の幸せは身体的なケアはもちろん、精神的なケアが大切です。
ここでは、老犬の幸せのためにできる6つのことを見ていきましょう。
① 適切な治療を受けさせてあげる
「病院がストレスになるから」「老犬だし無理に検査で痛い思いはさせたくない」など、老犬になると動物病院に行くことを控える飼い主さんもいます。
確かに、動物病院へ行くことをストレスに感じる老犬も多いです。
しかし、病気で適切な治療をせず、ずっと痛い・苦しい思いをさせてしまうことは老犬のためにはなりませんね。
現在は往診してくれる動物病院も増えているため、動物病院に行くことが難しい場合は往診をお願いすると良いでしょう。
② 生活環境を整えてあげる
老犬になると、内臓機能の衰えだけでなく、足腰の衰えや視力、聴力の衰えなども起こってきます。
転びやすくなったりぶつかりやすくなるため、ケガをしないように生活環境を整えてあげることが大切です。
滑りやすい床にはカーペットを敷いたり、段差にはスロープを設置する、家具の角や壁は衝撃吸収マットなどで保護するなど、老犬が安全に過ごせる環境に整えてあげましょう。
また、夏場など留守にする際にエアコンをつけっぱなしするなど、室内の温度や湿度にも配慮してあげてくださいね。
③ 適度に外に連れ出してあげる
老犬になると、散歩に行くことを嫌がることもあるでしょう。
また、愛犬の負担にならないようにと散歩の頻度を減らしている飼い主さんもいるかもしれません。
もちろん、体調が悪いときに無理に連れ出すことはおすすめできませんが、適度に外に連れ出してあげることは老犬にとって良い刺激となります。
自力で歩くことが難しい場合は、抱っこや犬用カートなどで連れ出してあげるといいでしょう。
老犬の散歩については、以下の記事も参考にしてみてくださいね⇩
動物介護士が解説|老犬が散歩を嫌がるときはどうする?回数や時間の目安も |
④ 食事内容に配慮してあげる
老犬は好き嫌いが激しくなったり、消化吸収能力が低下したりと、食事内容にも配慮してあげる必要があります。
食事は犬の楽しみのひとつでもあるため、食べやすくて消化に良く、なおかつ美味しい食事を用意してあげましょう。
良質な肉や魚は消化にやさしく、嗜好性が高い傾向があります。
そのため、ドッグフードを選ぶ際は、総合栄養食で主原料に良質な肉や魚を使用したものがおすすめです。
また、老犬は一度に食べられる量が減ったり、一度にたくさん食べると消化に負担がかかりやすくなるため、一度に与える量を少なくして、食事の回数を増やしてあげてくださいね。
老犬の食事については、以下の記事で詳しく解説しています⇩
専門家が解説|老犬の食事回数や食事内容は?食事量や注意点も |
専門家が解説|老犬のドッグフードの選び方は?押さえておきたいポイント6つ |
動物介護士が解説|老犬が食べないときに試してほしい8つのこと |
⑤ 怒らず穏やかに接する
老犬になると、それまでできていたことができなくなったり、わがままになったりとさまざまな変化が起こります。
イライラしたり、つい怒ってしまうということもあるでしょう。
しかし、老犬自身も自分に起きた変化に戸惑ったり不安になったり、もどかしい思いをしています。
さらに、犬には飼い主さんの感情に共感する能力がある(※)ことも考えると、イライラしたり怒ったりするよりも、穏やかな気持ちで接することが老犬自身の穏やかな毎日につながるでしょう。
老犬の変化やトイレの失敗については、以下も参考にしてみてくださいね⇩
動物介護士解説|犬の老化のサインを見逃さないで!7歳をすぎたら要注意 |
動物介護士が解説|老犬がトイレを失敗するようになったら要注意!対処法も |
⑥ 一緒にいる時間を増やしてあげる
犬の時間は人間の時間よりも早く流れており、犬の一日は7時間程度とされています。
犬の平均寿命は14歳程度と短いため、老犬になった愛犬との時間を大切にしてください。
少しでも一緒にいる時間を増やし、話しかけたり撫でてあげましょう。
飼い主さんと一緒にいられることが、老犬の幸せなのです。
まとめ
老犬となった愛犬の幸せを考えることも、それだけ愛されているということであり、老犬にとって幸せなことではないでしょうか。
愛犬が認知症になると表情の変化が少なくなり、愛犬にとって何が幸せか考えてしまう時間も増えてくるでしょう。
ですが、確実に言えることは、「飼い主さんと一緒にいられること、飼い主さんに愛されていること」が老犬にとって何よりも幸せなことです。
愛犬と過ごす1分1秒を大切にしてくださいね。
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執筆者:高田(動物介護士)