犬が夜になると吠えるのはなぜ?考えられる原因と対策法を解説
犬が吠えるのには必ず理由がある、とされていますが、夜になると吠えるのは「近所迷惑になってしまうのではないか」と困っている飼い主さんも多いでしょう。
また、夜中に吠えるようなことがあれば飼い主さん自身が睡眠不足になってしまうこともありますね。
そこで今回は、犬が夜に吠える原因や対策法について解説します。
動物病院を受診したほうが良いケースもあるため、ぜひ最後までご覧ください。
犬が夜になると吠えるときに考えられる原因5つ
もともと犬は、人間との長い付き合いのなかで吠えることを求められてきた動物です。
そのため吠えるのは当たり前で、多くの場合で理由があって吠えています。
しかし、夜になると吠えるというのは困ってしまいますね。
原因を突き止めることで対策しやすくなるため、まずは犬が夜になると吠える原因を見ていきましょう。
① 不安で吠える
寝室が別などで家族の姿が見えない場合、ひとりになった不安から吠えることがあります。
特にお迎えしたばかりの子犬や、老化によって不安感が強くなる老犬にみられることが多いです。
② 警戒して吠える
日中に比べて夜間は音の種類が減り、聞きなれない音に警戒して吠えるのかもしれません。
犬の聴力はとても優れており、1km以上先の音を聞くことができるとされています。
また、聞こえる音の周波数の範囲や音域も人間に比べて広いため、人間には聞こえない音が聞こえていて反応しているということも考えられます。
③ 要求があって吠える
「お腹が空いた」「トイレに行きたい」「遊びたい」といった要求があって吠えることもあります。
以前に吠えたことで要求が通った経験がある場合、その成功体験を覚えていて吠えるようになってしまうことがあります。
また、老犬では老化によってトイレが近くなったり、ひとりでトイレができないこともあるため、トイレに行きたいことを訴えているのかもしれません。
【関連記事】
動物介護士が解説|老犬がトイレを失敗するようになったら要注意!対処法も |
④ 体調不良で吠える
犬が身体のどこかに痛みを感じていたり、違和感がある場合などに吠えることがあります。
これまで夜に吠えることがなかったのに、急に吠えるようになった場合は、病気やケガが原因の可能性もあるため、早めに獣医師にご相談ください。
⑤ 認知症で吠える
老犬の場合では、認知症を発症して夜に吠えているのかもしれません。
いきなり吠えるといった行動がみられる場合もありますが、夜中に落ち着きがなくなったり、誰もいない場所に向かって吠えることが増えるなど、前段階のような期間があるケースも。
認知症になるとなぜ夜に吠えるのかははっきりとわかっていませんが、認知症になると不安を強く感じやすくなったり、脳が興奮状態になりやすくなることが関係しているのではないかと考えられています。
また、脳の機能が低下することで体内時計が乱れやすくなるため、昼夜逆転を起こして夜に活動的になり吠えてしまうということもあります。
■ 犬の認知症の主な症状
・日中に寝る時間が長い |
ただし、認知症と同じような症状がみられる病気もあるため、自己判断せずに早めに動物病院を受診しましょう。
犬の認知症の症状や夜鳴きについては、以下の記事もチェックしてみてくださいね⇩
動物介護士が解説|犬の認知症の症状は?予防や対策方法 |
動物介護士が解説|老犬の夜鳴きに薬は効く?使用するリスクや対処法 |
犬が夜になると吠えるときの対策法
なぜ愛犬が夜になると吠えるのか、思い当たる原因はありましたか?
原因はひとつではなく、複数が関係しているケースもあるため、吠える原因をひとつひとつ検証し、取り除いてあげることが大切です。
ここでは、犬が夜になると吠えるときの対策法を解説します。
不安で吠える場合の対策法
お迎えしたばかりの犬が寂しさや不安から吠える場合は、吠えると飼い主さんが来てくれると学んでしまうことを防ぐためにも、無視をすることが基本です。
また、日中に十分運動をさせてあげることで、疲れて夜はぐっすり眠ってくれるでしょう。
ただ、必ずしも無視をすることが一番良い方法といえないこともあり、場合によっては飼い主さんが見える場所に寝床を用意してあげたほうが落ち着くこともあります。
特に老犬では、老化による身体の変化に戸惑い、不安になりがちです。
飼い主さんのそばに寝床を用意して、安心できる環境をつくってあげることをおすすめします。
老犬では夜間に体調が急変することもあるため、飼い主さん的にも安心でしょう。
警戒して吠える場合の対策法
犬の聴力は優れているため、外の音に対する対策はなかなか難しいですが、窓のそばや玄関のそばなど外の音が聞こえやすい場所に寝床がある場合は移動させましょう。
また、さまざまな音に慣れさせて警戒しなくても良いことを教えてあげることも大切です。
トレーニングがうまくいかないときは、行動診療科の獣医師やドッグトレーナーなどの専門家に相談すると良いでしょう。
要求があって吠える場合の対策法
食事の量や食事を与えるタイミングなどを見直してみましょう。
早い時間に食事を与えると、夜中にお腹が空いてしまいます。
また、トイレも室内で自由にできるようにしてあげると良いでしょう。
老犬の場合では寝床のそばにトイレを設置してあげることで、あまり動かずにトイレに行くことができます。
老犬が外でしかトイレをしない場合や食事回数については、以下の記事をチェックしてみてくださいね⇩
動物介護士が解説|老犬が外でしかトイレをしない!外から中へ変えてあげる方法 |
専門家が解説|老犬の食事回数や食事内容は?食事量や注意点も |
認知症で吠える場合の対策法
犬が認知症で吠える場合、不安や要求、混乱などさまざまな要因が考えられます。
まずは動物病院を受診し、その犬に必要な対策を獣医師とともに検討しましょう。
症状や飼い主さんのお困り度が高い場合などは内服薬が処方されることもありますが、お薬の副作用が心配な方は、動物病院専用のサプリメントを検討できると安心でしょう。
お家でできるケアや対策としては、昼夜逆転をさせないように、日中の運動や日光浴などを行い、夜に眠れるようにしてあげましょう。
また、飼い主さんの近くに寝床を用意してあげるなど、不安を和らげてあげることも大切です。
昼夜逆転のリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています⇩
犬が昼夜逆転するのはなぜ?考えられる原因や治す方法を解説 |
犬が夜になると吠えるときにしてあげたいこと
犬が夜に吠えるときは、前章でご紹介した対策法だけでなく、配慮してあげたいこともあります。
難しいことではないので、ぜひ実践してみてくださいね。
動物病院を受診する
犬は言葉を話すことができない代わりに、吠えることで何かを伝えようとしています。
不安や警戒、要求という理由から吠えていることが明らかに分かる場合は、対策法を試してみて、改善がなければ「行動診療科」のある動物病院を受診してみると良いでしょう。
また、なぜ吠えるのか理由が分からない場合や、急に吠えるようになったときは体調不良や認知症などの病気の可能性があるため、早めに動物病院を受診することが大切です。
環境の見直しをする
夜に吠える理由が何であれ、愛犬が過ごす環境を見直してみることも大切です。
寝床は快適か、食事量やタイミングは適切か、運動量は十分か、スキンシップや遊ぶ時間を取れているかなど、見直すポイントはたくさんあります。
定期的に見直すことで、より快適な環境に整えてあげることができるでしょう。
老犬は脳ケアサプリメントを検討する
認知症になっている・なっていないに関係なく、老犬には脳ケアサプリメントを検討してあげましょう。
犬の認知症は10歳(大型犬では7~8歳)頃から発症し、その後急増するといわれています。
年齢だけで見ると1歳年を取るごとに発症するリスクは70%上がるという報告もあります。
愛犬が10歳(大型犬では7~8歳)になったら、サプリメントを取り入れるなど、認知機能の健康を維持するための積極的なケアが大切です。
初期の認知症は気づきにくいですが、どんどん進行していく病気のため、認知症の発症を遅らせたり進行を抑えるためにも脳に必要な栄養をサプリメントで効率よく補ってあげることが大切です。
■ 脳ケアにおすすめの成分 |
脳ケアサプリメントはさまざまなものが販売されていますが、動物病院で取扱いがあるようなエビデンスがあるものを選ぶことをおすすめします。
また、すでに脳ケアサプリメントを使用していて期待するような実感がない場合は、新しいアプローチとして注目されているグネチンCやバングレンなどの成分を含むサプリメントを試してみると良いでしょう。
犬の老化や認知症のサポートについては、以下の記事で詳しく解説しています⇩
動物介護士解説|犬の老化のサインを見逃さないで!7歳をすぎたら要注意 |
動物介護士が解説|犬の認知症を治すことはできる?治療法やできるサポート |
犬が夜に吠えるときは防音対策ができるアイテムも活用しよう
犬が夜になると吠える理由はさまざまで、環境を見直すことで解消されるものもあれば、認知症のようにずっと付き合っていかなければばらないものもあります。
夜に吠えることはご近所トラブルにもなりかねないため、防音対策を行うことも考えてみましょう。
近年は、防音機能の付いたカーテンや、吠える声を響きにくくする天井材、壁に取り付ける防音パネルなどが販売されているので、そういったものを活用するのがおすすめです。
まとめ
犬にとって「無駄吠え」というものはなく、吠えることには理由があります。
また、吠えることに飼い主さんがイライラしてしまうと、その気持ちが愛犬に伝わって余計に吠えやすくなってしまいます。
体調不良や病気で訴えるために吠えていることもあるため、なぜ夜になると吠えるのか愛犬をよく観察し、吠えている理由を突き止めて適切に対処してあげることが大切です。
「歳をとったから仕方がない」と思ってしまいがちな変化でも、早めのケアでワンちゃんのその後の快適さや過ごしやすさにつながることはたくさんあります。
ぜひ今できることを検討してみてくださいね。
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執筆者:高田(動物介護士)