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愛犬の落ち着きがない!ウロウロするのはなぜ?原因や動物病院を受診する目安

目次

愛犬のいつもと違った落ち着きがない様子や、ウロウロしている様子を見ると心配になる飼い主さんも少なくありません。

犬の落ち着きがない原因やウロウロと歩き回る原因には病気が関係していることもあり、適切に対処してあげることが大切です。

そこで今回は、犬の落ち着きがない、ウロウロするといった行動の原因や対処法、動物病院を受診する目安について動物介護士が解説します。

飼い主さんができるケアについてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 【執筆者保有資格】

動物介護士、ペットフーディスト、犬の管理栄養士 他

 

愛犬の「落ち着きがない」「ウロウロ」は異常?それとも正常?

愛犬の落ち着きがない様子や、ウロウロと歩き回る様子を見て、「どこか具合が悪いのかな?」と心配になりますよね。

犬の「落ち着きがない」「ウロウロする」行動にはさまざまな理由があり、必ずしも異常な行動とは限りません。

まずは愛犬の様子を冷静に観察し、状況を見極めることが大切です。

 ■ チェックポイント

・行動がいつから始まったか(突然 or 徐々に)
・どの時間帯に多くみられるか(昼 or 夜)
・他の症状をともなっていないか(震え、食欲低下、嘔吐・下痢など)
・周囲の環境に変化はなかったか(引っ越し、家族の不在など)

これらのポイントをふまえながら、愛犬の行動も「正常」「異常」を判断する参考にしてみると良いでしょう。

犬の落ち着きがない・ウロウロするときに考えられる原因8つ

では、犬が落ち着かなかったりウロウロするときには、どんな原因があるのでしょうか。

主に考えられる8つの原因について見ていきましょう。

① ストレスを抱えている

犬は環境の変化や運動不足、食事量の不足、飼い主さんとのコミュニケーション不足など、何かストレスを抱えている場合、落ち着きがなくなったり、ウロウロすることがあります。

② 興奮している

散歩に行く気配を察知したり、ご飯やおやつをもらうときなど、気持ちや期待が高まっているときに、興奮してソワソワと落ち着きのない行動が見られたりウロウロと歩き回ることがあります。

③トイレに行きたい

犬は、トイレに行きたいときにウロウロしたり、同じ場所を行ったり来たりするなど落ち着きがない行動を見せます。

この場合、排泄を済ませた後は通常モードに戻りますが、肛門腺が溜まっていたり完全に出し切れていないときは不快感からお尻を気にしたり、ウロウロすることもあります。

外でしかトイレをしない老犬については、以下の記事をチェックしてみてくださいね⇩

 動物介護士が解説|老犬が外でしかトイレをしない!外から中へ変えてあげる方法

④ 運動不足や退屈している

運動不足や刺激の少ない生活を送っていると、犬はエネルギーを持て余して落ち着きがない行動を見せることがあります。

特に若くて活発な犬では、退屈で室内をウロウロしたり、無駄吠えなどを起こすこともあり、十分な運動や遊びができているか見直してみることをおすすめします。

⑤ 分離不安になっている

飼い主さんが出かける前後にソワソワしたり、留守中に室内をウロウロするなど落ち着きのない行動が見られる場合、分離不安(分離不安症・分離不安障害)の可能性があります。

分離不安は体調不良や自傷行為、問題行動を起こすこともあるため、愛犬に分離不安が疑われる場合は獣医師にご相談ください。

⑥ 体に痛みや不快感がある

ケガや病気で体のどこかに痛みを感じていたり、内臓の不調など体に違和感があると、犬は落ち着いていられずにウロウロと歩き回ることがあります。

また、気圧の変化の影響を受けて不調を感じ、落ち着きがなくなることも珍しくありません。

⑦ 病気による影響

てんかんや脳炎、脳腫瘍、水頭症、前庭疾患などの病気によって、落ち着きがない行動が現れることがあります。

また、副甲状腺機能低下症でも、落ち着きを失う症状が見られます。

⑧ 認知症を発症している

老犬では、認知症の可能性も否定できません。
老犬は、1歳年を取るごとに認知症のリスクが70%上がるともいわれています。

認知症になると、ウロウロと目的もなく歩き回る「徘徊」の症状がみられたり、夜鳴きや昼夜逆転を起こすこともあります。

犬の認知症については、以下の記事で詳しく解説しています⇩

 動物介護士が解説|犬の認知症の症状は?予防や対策方法
 動物介護士が解説|犬の認知症を治すことはできる?治療法やできるサポート

 

犬の落ち着きがない・ウロウロするときの動物病院の受診目安

愛犬がソワソワしたりウロウロするなど落ち着きがないときに、動物病院を受診しようか悩む飼い主さんも少なくありません。

場合によっては早急な受診が必要なこともあるため、しっかりと見極めてあげることが大切です。

一旦は様子を見ても良いケース

愛犬の落ち着きがない状態が一時的で、来客があった・引っ越しをした・ペットホテルに預けたなど、明らかにストレスが原因とわかり次第に落ち着いてくるようであれば、様子を見ていても問題がないケースがほとんどです。

また、興奮やトイレに行きたいなどの場合も、その後落ち着く様子がみられれば心配はないでしょう。

普段から日記や写真、動画などで愛犬の様子を記録しておくと、普段の様子と比較することができ、異常を判断しやすくなります。

動物病院の受診が必要なケース

落ち着きがない以外に、嘔吐や食欲低下、震え・痙攣、神経過敏などがある場合は、早急に動物病院を受診しましょう。

また、よだれや失禁、数時間にわたるウロウロ行動などはてんかん発作が起きた可能性があります。

ほかにも、狭いところに入り込みたがる、同じところをグルグル回る(旋回運動)などの症状は、認知症や脳の病気の恐れがあるため早めに動物病院を受診することが大切です。

犬の落ち着きがない・ウロウロするときの対処法

犬の落ち着きがないときは、どのように対処してあげたらよいのでしょうか。

病気が疑われるときは動物病院を受診することが最も重要な対処法ですが、それ以外の対処法について見ていきましょう。

優しく声をかけて安心させてあげる


まず、愛犬に落ち着きがない様子が見られたら、無理に行動を止めるのではなく、優しく声をかけながら、そっと寄り添うように撫でてあげましょう。

不安やストレスなどが原因であれば、この対応で落ち着きを取り戻せることがあります。

この時、神経過敏になっていることも多いため、大きな声や音を出さないように配慮してあげることが大切です。

認知症の場合はソフトサークルなどを用意してあげる


犬が認知症になると記憶障害や見当識障害が起こり、不安や焦燥感からウロウロと歩き回ったり、同じ場所をグルグルと回ることがあります。

どこかに体をぶつけたり、狭い場所に入り込んで身動きが取れなくなってパニックになってしまうということもあるため、安全のためにも大きめのソフトサークルの中で好きなだけ歩かせてあげましょう。

老犬がグルグル回るときの対処法については、以下の記事もチェックしてみてくださいね⇩

 動物介護士が解説|老犬がぐるぐる回るときはどうしたらいい?止めるのはダメ!

 

飼い主さんができる日常のケア

犬の落ち着きがなくなる原因はさまざまですが、落ち着いて暮らしてもらえるように日常のケアも重要です。

ここでは、飼い主さんができる日常のケアについてご紹介します。

環境の見直しと落ち着ける空間づくり

犬は環境の変化や刺激に敏感な動物です。
騒音が多い、来客が多い、家族の出入りが激しいなど、日常的な環境が落ち着かないと感じると、不安から落ち着きのない行動をみせることがあります。

まずは、愛犬が安心して過ごせる「自分だけのスペース」を用意してあげましょう。
例えば、クレートやベッドを静かな場所に設置し、心地よい毛布やにおいのついたおもちゃなどを入れておくと、安心感が増すでしょう。

このとき、空調が行き届く位置でなるべく視覚的な刺激(外からの人の動きや騒音)が少ない場所を選ぶのもポイントです。

十分な運動と遊びの時間を確保する

運動不足や退屈も、落ち着きのなさの原因になります。

愛犬の年齢や体力に合わせた散歩や遊びを毎日取り入れて、ストレスを発散させてあげましょう。

知育トイや簡単な「宝探しゲーム」など、頭と体を使う遊びは脳の刺激にもなりおすすめです。

老犬には認知機能の健康をサポートしてあげる

犬の認知症、脳・老化ケアサプリメント「トライザ」

認知症は10歳頃からリスクが高まり、12歳頃に発症する犬が多いことが分かっています。
予防のためにも、シニア期に入った頃からケアを行うことが大切です。

ストレスや不安による落ち着きがない行動やウロウロと歩き回る行動が、いつのまにか認知症の症状に変わっていることもあります。
脳の健康を保つために、嗅覚や視覚、触覚などを刺激する工夫を取り入れましょう。

また、加齢によって脳に必要な栄養が不足しがちです。
栄養を効率よく摂取できるサプリメントを取り入れ、認知機能の健康をサポートしてあげましょう。

 ■ 脳の健康維持におすすめの成分
・神経栄養因子様化合物(バングレン
・ポリフェノール(アントシアニン、グネチンCなど)
・カロテノイド(アスタキサンチン、ルテイン、β‐カロテンなど)
・オメガ3脂肪酸(DHA、α-リノレン酸など)
・ビタミンA、C、E など

脳の健康維持のためのサプリメントはさまざまなものが販売されていますが、動物病院で取扱いのあるようなエビデンスのあるものを選ぶことが良い製品を見極めるポイントです。

まとめ

愛犬の「落ち着きがない」「ウロウロしている」といった行動は、日々のストレスや生活環境、加齢による変化などが関係していることがあります。

病気が隠れていることもあるため、原因を見極めながら対処していくことが大切です。

気になる行動が続くときは、自己判断せず獣医師に相談し、適切なサポートを受けましょう。

 

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執筆者:高田(動物介護士)