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老犬がトリミングを断られるのはなぜ?トリミングを受ける方法も解説

目次

「老犬になるとトリミングサロンの利用を断られる」と見聞きして、愛犬も断られるんじゃないか…と心配になっているのではないでしょうか。

また、実際に老犬のトリミングを断られたという飼い主さんもいるでしょう。

シャンプーするだけなのになぜ断られるの?と不思議に思いますよね。

私自身も経験があり、12歳で断られる愛犬もいれば、18歳になって持病があっても問題なくトリミングサロンを利用できていた愛犬もいました。

老犬の状態やトリミングサロンの利用状況などによって、受け入れの可否が大きく変わる事が多いようです。

そこでこの記事では、動物介護士やメディカルトリマーの私が、老犬がトリミングを断られる理由やトリミングを受ける方法についてご紹介します。

 ■執筆者保有資格

動物介護士、ペットフーディスト、ホリスティックケアカウンセラー ほか

 

そもそも老犬は何歳から?明確な定義はなく個体差がある

実は、何歳から「老犬」と呼ぶかについては、獣医学的にも明確に決まっているわけではありません。

老化の進み方は犬種や体格、遺伝や生活環境などによって大きく変わるからです。

一般的にシニア期に入る目安は、

  • 小型犬・中型犬…7歳頃から
  • 大型犬…5歳頃から

とされていますが、老犬は「推定寿命の最後の25%を迎えた時期から」として独自に定義している団体もあります。(※)

愛犬が老犬になったかどうかはかかりつけの獣医師に判断してもらうことが大切です。

しかし、トリミングサロンは個々の状態を把握できるわけではありません。

そのため、新規受付を10歳や12歳までとして、年齢だけで断られるケースが多くなります。

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老犬がトリミングを断られる理由は?老犬の負担が大きいから

実は、老犬にとってトリミングは心身の負担が大きいものです。

健康上に問題がなくても、トリミング中に発作を起こしたり、まれに突然死してしまうこともあります。

そのため、老犬の安全を最優先に考え、サロンはトリミングを断るのです。

ここでは、もう少し具体的な4つの理由を見ていきましょう。

 

①体力の低下や関節の衰えで負担がかかりやすい

老犬になると体力が落ち、少しの作業でも疲れやすくなります。

さらに、関節機能の衰えや関節炎などの持病などで長時間立ち続けることができません。

トリミング中はシャンプーやドライ、カットなどで30分以上立ち続けることもあり、無理をするとバランスを崩して転倒したり、痛みを悪化させる原因にもなります。

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②環境の変化にストレスを感じやすい

老犬になると認知機能や感覚機能の衰えから、環境の変化や聞き慣れない物音に不安を強く感じやすくなります。

震えたり興奮したりすることで体力を消耗してしまうのはもちろん、強いストレスがかかることで体調を崩す原因につながることもあります。

また、過度な緊張やパニック状態になると心拍数や血圧が急上昇して心臓に負担がかかり、発作や失神などのリスクが高まるため注意が必要です。

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③皮膚が弱くなり傷や炎症が起こりやすい

老犬になると加齢によって皮膚のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなったり皮膚が薄くなったりします。

そのため、バリカンの刃やシャンプー時のわずかな摩擦でも傷ついたり炎症が起きてしまうこともあるのです。

また、老犬はイボやできもの(皮膚腫瘤など)ができていることも多く、トリミング中に傷つけてしまうリスクもあります。

特に老犬は触覚や痛みへの反応が鈍くなるため反応がわかりづらく、結果として知らないうちに皮膚トラブルにつながることも珍しくありません。

 

④急な体調の変化や持病が悪化するリスクがある

老犬は体の機能が全体的に低下しており、ちょっとした刺激やストレスでも体調を崩しやすくなります。

特に老犬は心臓疾患や呼吸器疾患、てんかんなどの持病を抱えていることも多く、トリミングの負担がきっかけで症状は悪化したり、命にかかわる事態が起きてしまう可能性もゼロではありません。

そのため、トリミングサロンではもしものリスクを考慮して、老犬のトリミングを断ることがあるのです。

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老犬でも安全にトリミングを受ける方法

老犬のトリミングは心と体への負担が大きく、断られることも増えてきますが、老犬でもトリミングが受けられるケースもあります。

実際、私の愛犬は心臓病や気管虚脱、クッシング症候群、がん、認知症といった病気を抱えながらも、18歳で虹組となるまでトリミングサロンを利用できていました。

ここでは、老犬でも安全にトリミングを受ける方法をご紹介します。

 

老犬に配慮したサロンを利用する

トリミングサロンの中には、老犬専門サロンや老犬対応可能サロンもあります。

もちろん、老犬の負担を最小限に抑えながら施術を行うため、若い頃のようにすべてを完璧に仕上げることは難しいです。

しかし、その子の状態を見ながら、できる範囲で手早く施術を行ってくれるので、安心してお任せできるでしょう。

また、動物病院併設のサロンであれば、トリミング中に体調の変化があってもすぐに獣医師が対応してくれます。

 

訪問・出張トリミングを利用する

自宅までトリマーさんが来てくれる、訪問トリミングや出張トリミングも老犬にはおすすめです。

老犬が慣れた環境で施術を受けられるため、サロンへの移動や環境の変化によるストレスを大幅に減らすことができます。

また、飼い主さんの目の届く場所なので、飼い主さんも老犬も安心できるのではないでしょうか。

もちろん、老犬のトリミングが断られるケースはありますが、こちらも老犬専門のトリマーさんや老犬対応のトリマーさんもいるので探してみると良いでしょう。

 

工程を分けるトリミングサロンを利用する

通常は老犬の新規受付をしていないトリミングサロンであっても、「シャンプーなしでカットだけ」「爪切りと足裏カットだけ」など、工程を分けて対応してくれることもあります。

1回あたりの施術時間が大幅に短縮されるため、老犬の負担を減らすことができるでしょう。

もちろん、何かあったときにすぐに対応できるように飼い主さんはそばで待機をする必要がありますが、柔軟な対応をしてくれるサロンもちゃんとありますよ!

 

ずっと通っているサロンなら継続できることもある

長年定期的に通っているサロンであれば、「老犬だから」と年齢を理由に断られることは比較的少ない傾向があるようです。

私の愛犬もこのケースでした。
8歳のころからお世話になっており、担当トリマーさんが愛犬の性格や体調、持病のことを理解してくれていました。

年齢が上がるにつれてすべてを完璧に行うことはできなくなりましたが、愛犬のペースに合わせて無理のない範囲で施術してもらえましたよ。

ちなみに、別の12歳の愛犬が断られたのは、寝たきりで新規利用だったためですが、その前からずっと通っていたらできる範囲で対応してくれたそうです。

このように、継続して利用しているサロンだと、柔軟に対応してもらいやすくなります。

そのため、トリミングサロンをコロコロ変えるのではなく、信頼できるサロンを見つけて長く付き合っていくことが大切です。

 

老犬のトリミングをするときの注意点4つ

老犬のトリミングは、若い頃のようにお任せで大丈夫というわけにはいきません。

安心してトリミングを受けられるように、老犬のトリミングをするときの注意点を理解しておきましょう。

 

事前に体調や持病を伝える

トリミング前は、必ず愛犬の体調や持病を伝えましょう。

飼い主さんはわかっていても、サロン側はその日の体調を正確に判断できません。

心臓病や気管虚脱、てんかん、皮膚病、関節炎などは特に、からだへの負担が大きくならないように調整してもらうことが大切です。

 

完璧な仕上がりを求めない

せっかくトリミングサロンを利用するなら、きちんと仕上げてほしいと思うこともあるかもしれません。

しかし、それよりも大切なのは老犬への負担を最小限にし、トリミングを安全に終えられることです。

顔まわりや足裏、細かい部分など、嫌がる部分は無理に触らずに残すこともありますが、それは決して手抜きではありません。

トリマーさんはできる範囲で、できる限りのことを精一杯してくれています。

 

体調が悪い日はキャンセルする

老犬が少しでも元気がなかったり、下痢や軟便、吐くなどのことがあった日は、無理にトリミングに連れて行かずにキャンセルしましょう。

「今日しか行けないし…」と思っても、トリミング中に体調が急変するリスクのほうがずっと大きいです。

キャンセル理由を正直に伝えれば、サロン側もちゃんと配慮してくれます。

 

トリミング後はしっかり休ませる

トリミングは、老犬にとって疲れる作業です。

サロンを出たら真っ直ぐ家に帰り、愛犬をゆっくり休ませてあげましょう。

トリミングのあとにぐったりしている、食欲がない、呼吸が荒いといった様子が見られた場合は、すぐに動物病院へ相談してください。

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まとめ

老犬になるとトリミングを断られることもありますが、必ずしもすべてのトリミングサロンが老犬を断わるわけではありません。

老犬のトリミングは、若い頃のような見た目の美しさを求めるのではなく、清潔を保ちながら快適に過ごすことを目的に行うものです。

信頼できるトリマーさんやサロンを見つけ、愛犬の状態やペースに合わせてケアをしてあげてくださいね。

 

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執筆者:高田(動物介護士)

 

<参考文献>

※:AAHA「Senior Status? Understanding Your Senior Pet’s Life Stage」