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老犬との暮らし、後悔しないためにできること【動物介護士が解説】

目次

老犬と暮らす時間はとても愛おしいものですが、

「あとどれくらい一緒にいられるかな…」

そう考えてしまう瞬間もあるのではないでしょうか。

私は7年前、6年前、3年前、1年前と4匹の老犬を見送りましたが、

「もっとああしてあげれば」

「こうしてあげていれば」

と、今でも思い返しては後悔することがあります。

どれだけ大切にしていても、たくさんの愛情をかけていても、後悔は生まれてくるものです。

それはできなかったという意味ではなく、愛犬を大切に想っている証でもあります。

それでも、愛犬のためにできる限りのことをしてあげたいですよね。

そこでこの記事では、高齢愛犬たちと暮らしていた動物介護士の私が、老犬との暮らしで後悔しないためにできることをごお伝えします。

 執筆者:高田

【保有資格】
動物介護士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペットフーディスト

 

後悔しないために知っておきたい老犬の変化

犬は何歳からが老犬という明確な基準はありませんが、小型犬や中型犬は7歳頃から、大型犬は5歳頃からシニア期に入ります。

シニア期に入ると、体の内側ではゆっくりと機能の衰えが始まりますが、老化の進み方は個体差が大きく、すべての犬が同じというわけではありません。

だからこそ、その変化に気づいてあげられるかどうかが、ケアをするうえでとても大切になります。

「もっと早く気づいてあげればよかった」
これは、多くの飼い主さんが感じる後悔のひとつです。

そんな後悔を減らすためにも、まずは老犬に現れやすい変化を知っておきましょう。

 

身体の変化

老犬になると、若い頃とはまったく異なる体の変化があります。

  • 筋力・持久力の低下
  • 関節機能の低下
  • 視覚・聴覚の低下
  • 嚥下機能(飲み込む力)の低下
  • 消化機能・内臓機能の低下
  • 代謝機能の低下
  • 体温調整機能の低下
  • 免疫力の低下
  • 脳機能の低下
  • 抗酸化の働きの低下
  • 体内生成量の低下
  • 水分保持力の低下 など

外からは見えにくい変化ですが、老犬の体の中ではこうしたさまざまな機能の低下が起こっているのです。

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行動の変化

身体の変化に合わせて、行動にもゆっくりと変化が表れます。

老犬に見られやすい行動の変化には、以下のようなものがあります。

  • 疲れやすくなる・休憩が増える
  • 散歩のペースがゆっくりになる
  • 段差を避ける・嫌がるようになる
  • 寝ている時間が増える
  • 遊びに誘ってこなくなる
  • 帰宅時の出迎えが減る・来ないことがある
  • 食欲にムラが出る・食べ方が変わる
  • 夜に落ち着かない・動きが増える など

こうした行動の変化は老化による自然なものですが、いつもより急な変化が見られるときは、病気の可能性もあるため注意が必要です。

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気持ちの変化

老犬になると、気持ちの動き方も変化します。

代表的な気持ちの変化には、以下のようなものがあります。

  • 頑固に見える場面が増える
  • 我慢ができなくなる
  • 喜びの表現が控えめになる
  • 不安を感じやすくなる
  • 甘え方や距離の取り方が変わる など

若い頃のように気持ちを上手に表現することが難しくなり、喜怒哀楽がわかりにくくなることも珍しくありません。

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後悔につながりやすい老犬ケアで失敗しがちな5つのこと

老犬との暮らしでは、後悔につながりやすい行動がいくつもあります。

私自身、「あのときのあの行動は、愛犬にとって本当に良かったのか」と愛犬を見送った今でも考えてしまいます。

もちろん、老犬のケアに正解はありません。

それでも、今この瞬間に老犬と暮らす飼い主さんには、愛犬のためにも良い選択をしてほしいと願っています。

ここでは、多くの飼い主さんがついやってしまいがちな「後悔につながりやすいポイント」をまとめました。

 

①若い頃のペースを求める

若い頃と同じ速さで歩かせたり、同じ距離を散歩しようとすると、老犬の体には大きな負担になります。

関節や筋力はゆっくりと衰えていくため、以前のように歩けないのは自然なことです。

愛犬が少し立ち止まったり、ゆっくり歩きたいときには、そのペースに合わせてあげることが大切です。

今の体で無理なくできることを基準にしてあげることで、老犬の体も心もラクになるでしょう。

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②食べないことをわがままと決めつける

老犬が食べないときに、わがままだと思ってしまうこともあるでしょう。

でも、老犬にとって食べることは、若い頃よりもずっと大変なことです。

口の中が痛い、噛めない、飲み込みづらい、食べる姿勢がつらいなど、食べたい気持ちがあっても体がついていかないことが多くあります。

また、老犬になると嗅覚や味覚などの感覚も衰えていきます。
それによって好みが変わることもあるため、愛犬の好みや食べやすい形や量、食べられるタイミングを見つけてあげることが大切です。

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③できないことを叱る

老犬になると、若い頃には普通にできていたことも、少しずつできなくなっていきます。

トイレの失敗や反応の遅れ、夜鳴き、夜に落ち着かないなど、つい叱りたくなることもあるかもしれません。

しかし、老犬の「できなくなる」という変化は、体や脳の機能が行動に追いつかなくなる自然な老化です。

老犬も自分の変化に戸惑い、不安でいっぱいです。
そんなときに叱られてしまうと、ますます自信を失い、混乱や不安を強めてしまうことになります。

できなくなってしまったことを叱るのではなく、できたことをたくさん褒めてあげましょう。

 

④体の不調のサインに気づかない

老犬になると、老化によるさまざまな変化が重なり、飼い主さんが不調のサインに気づきづらくなります。

たとえば、食欲のムラ、歩くスピードの変化、いつもよりよく眠る、ぼんやりする時間が増えるなど、どれも一見「年だからかな?」と思ってしまいがちですよね。

しかし、実は体のどこかに不調を抱えているサインのこともあります。

さらに、老犬は痛みや違和感を表に出すことが苦手になっていきます。

これは、弱っている姿を隠そうとする動物としての本能が働くことに加え、長く続く違和感に慣れてしまったり、脳の反応もゆっくりになることなどが理由です。

こうした要因が重なることで、若い頃よりも我慢することが増え、つらさを抱えたまま静かに過ごすような状況が起こりやすくなります。

だからこそ、「少し変だな」と感じたときは、愛犬に不調がないか考えてあげることが大切なのです。

 

⑤「年だから仕方がない」と積極的な治療をしない

老犬に病気がみつかったとき、「もう年だから仕方がない」と積極的な治療をしないことがあります。

「検査や治療がストレスになるのでは?」
「年だし自然に任せたほうがいいのでは?」
と、迷う飼い主さんも決して珍しくありません。

確かに、老犬の状態や病気の種類によって、できる治療や望める回復に限りがあることもあります。

しかし、だからといってそれを理由に治療をしないということが、必ずしも老犬にとって最善の選択になるとは限りません。

治療をせず、ずっと痛みを抱えたまま毎日を過ごすのと、痛みを和らげたりQOL(生活の質)を保ちながら毎日を過ごすのではどちらが良いでしょうか?

「年だから仕方ない」と決めつけることで、老犬がもう少し楽に過ごせたはずの時間を奪ってしまう可能性もあるのです。

大切なのは延命を選ぶかどうかではなく、愛犬が少しでも楽に、少しでも穏やかに過ごせる方法があるかを獣医師と一緒に探すことです。

その選択肢を知るだけでも、老犬にとっての優しさにつながるでしょう。

 

後悔しないための老犬との寄り添い方

老犬との時間は、いつまでも続くものではありません。
犬は人間よりも早いスピードで歳を重ね、その犬生をあっという間に駆け抜けていきます。

そして、その歩みが思っている以上に進んでいることに、ある日ふと気づかされることもあります。

「もっとこうしてあげればよかった」
「あのとき、こうすればよかった」
という後悔を少しでも減らすために大切なのは、今この瞬間の愛犬とどう向き合うかということです。

そのためにも、老犬が安心して過ごせる寄り添い方を知っておきましょう。

 

少しでも違和感を感じたら獣医師に相談する

老犬の体や心は、毎日のように変化しています。
「上手く説明できないけど、何かいつもと違う気がする」
そんなわずかな違和感でも、獣医師に相談することが大切です。

動物病院を受診して、何も異常がなければ安心につながりますし、異常があったときは早期に治療を開始できます。

「過保護だと思われるのでは?」と受診をためらうことがあるかもしれません。

しかし、老犬は過保護なくらいがちょうどいい。
私個人としてはそう思っています。

 

たっぷりとスキンシップを取る

老犬にとって、飼い主さんの手の温もりは大きな安心感につながります。

老犬は体が思うように動かなかったり、不安を感じやすくなる時期だからこそ、たっぷりとスキンシップを取ってあげることが大切です。

撫でたり抱きしめたりする時間は、飼い主さんの愛情がまっすぐ老犬に伝わるかけがえのないひとときでもあります。

もちろん、愛犬が嫌がるときに無理に行う必要はありません。

その日の体調や気分によって、触られたいという距離感が変わることもあることをわかってあげましょう。

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笑顔で接することを意識する

老犬は、飼い主さんの表情や声のトーンにとても敏感です。
だからこそ、飼い主さんの笑顔は老犬にとって大きな喜びや安心につながります。

老犬との暮らしでは、思い通りにいかないことも増えてくるかもしれません。

悲しくなることや、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。

そんなときは、これまでずっとあなたのそばで寄り添ってくれていた愛犬の姿を思い出してください。

今を一生懸命に生きている愛犬の存在そのものが、かけがえのないものです。

その尊い時間に寄り添う意味でも、穏やかな笑顔で接してあげましょう。

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まとめ

老犬との暮らしでは、どんなに精一杯できることをしていても「もっとしてあげられたかもしれない」と後悔を抱えてしまうことがあります。

私自身もそうでしたし、多くの飼い主さんが同じ思いを経験しています。

だからこそ大切なのは、今この瞬間の愛犬に向き合い、できる限りのことをしてあげることです。

小さな変化に気づいてあげる、負担の少ない選択をしてあげる、そばにいて寄り添ってあげる。

そうした積み重ねが、老犬の毎日を穏やかなものにし、結果として後悔を少なくすることにつながります。

今日という日を大切に、愛犬との幸せな時間を重ねていってくださいね。

 

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