老犬にレバーをあげても大丈夫?適量やメリット、注意点を専門家が解説
レバーを好きな犬も多く、おやつやフードなどレバーを使用したものがたくさんありますね。
レバーは栄養価が高く、適量であれば犬の健康維持に役立ちます。
とはいえ、栄養価が高いからこそ、「成犬では大丈夫でも老犬は控えた方が良いのかな?」と悩んでしまうのではないでしょうか。
老犬は体のさまざまな機能が衰えてくるため、できるだけ負担をかけないようにしてあげたいものですね。
そこで今回は、高齢の愛犬4匹と暮らしていた動物介護士・ペットフーディストの私が、老犬にレバーを与えるメリットや注意点を解説します。
老犬が1日に食べてもいい量もご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
| 執筆者:高田 【保有資格】 動物介護士、CPD認定 Canine Cognitive Dysfunction(CCD)修了、ホリスティックケア・カウンセラー、ペットフーディスト、ペット食育士1級 ほか |
老犬にレバーを与えても大丈夫!ただし適量を守ることが前提
結論から言うと、しっかり加熱してあり適量であれば、老犬にレバーを与えても大丈夫です。
ただし、栄養制限の指示が出ていたり、体調に心配ごとがある老犬では、必ずかかりつけの獣医師に確認してください。
レバーは栄養価が高いため、与えすぎれば肥満や体調不良の原因となるので適量を守ることが大切です。
また、レバーには鶏レバーや豚レバー、牛レバーなどさまざまな種類がありますが、基本的には人間が食べられる種類のレバー(無塩)であれば、老犬も食べることができますよ。
レバーに含まれる主な栄養素
ここでは、鶏レバーの主な栄養素を見ていきましょう。
鶏レバーはレバーの中でも一番臭みが少なく、好きな老犬も多いですよ。
| 【鶏レバーの主な栄養素 / にわとり 肝臓 生(100gあたり)※】
・エネルギー:100kcal |
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
上記を見ても、レバーにはさまざまな栄養素が含まれていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
ただし、レバーは脂溶性ビタミンのビタミンAが豊富で、長期的に過剰量でレバーを食べ続けた場合は、関節の痛みや骨の異常、皮膚や消化器のトラブルを起こすこともあります。
そのため、その老犬に合った適量にとどめておくことが大切です。
老犬がレバー以外にも食べられる内臓部位
老犬はレバーだけでなく、ほかの内臓部位も食べることができます。
| 部位 | 主な特徴 |
| レバー(肝臓) | 鉄・ビタミン類が豊富で栄養密度が高い |
| ハツ(心臓) | タンパク質が豊富で脂肪が比較的少ない |
| 砂肝(砂嚢) | 低脂肪で噛みごたえがある |
| まめ(腎臓) | レバーに似た栄養を持つがより低脂肪 |
| トライプ(胃) | 消化酵素や乳酸菌を含む(グリーントライプ) |
これらの内臓は、栄養価や嗜好性が高く、ドッグフードにも使用されることがあるので、食いつきが良いドッグフードを探しているときは原材料をチェックしてみるといいでしょう。
また、おやつやトッピング、手作りご飯の食材として使用する場合は、それぞれ含まれる栄養素や特徴が異なるため、目的や体調に合わせて使い分けることが大切です。
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老犬にレバーを与える6つのメリット
老犬にとって、レバーは老犬特有の悩みを支えやすいというメリットがあります。
ここで、老犬にレバーを与える6つのメリットを見ていきましょう。
①少量でも効率よく栄養を補える
レバーは、鉄分やビタミン類、タンパク質、脂質などをバランスよく含み、少量でも多くの栄養素を補える食材です。
老犬では加齢によって食事量が減りやすく、一度に多くの量を食べられないことも少なくありません。
そんなときに、栄養補助として役立てることができます。
②血液の働きを支えて元気を保つ
レバーは、鉄やビタミンB12が豊富なので、血液の働きを栄養面から支え、元気の維持に役立ちます。
血液は全身に酸素を運ぶ役割があり、不足すると疲れやすさや元気の低下につながることも少なくありません。
特に老犬は加齢によって栄養の吸収力が低下しやすく、貧血を起こしやすいため、こうした栄養素を補ってあげられるのは嬉しいですね。
③筋力低下(サルコペニア)対策に役立つ
レバーには良質なタンパク質が含まれているので、筋肉の材料を補ってあげることができます。
老犬では、後ろ足の弱りや踏ん張りにくさが目立つようになりますが、こうした変化には筋肉量の低下が関係していることも少なくありません。
筋肉は日々、分解と再生を繰り返していますが、食事から十分なタンパク質が摂れない状態が続くと、筋肉量が少しずつ減っていってしまうのです。
また、レバーに含まれるビタミンB6はタンパク質の代謝に関わる栄養素で、摂取したタンパク質を効率よく体に利用してくれます。
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④認知機能の維持を助ける
レバーには認知機能の維持に必要な栄養素が含まれているため、老犬の脳の働きを保つことにつながります。
脳や神経は多くのエネルギーを使いながら情報のやり取りを行っており、その働きにはビタミンB群が欠かせません。
不足すると反応の鈍さや集中力の低下につながることもあり、老犬では呼びかけへの反応が弱くなったり、昼夜逆転が見られたりすることもあります。
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⑤皮膚・被毛の健康維持に役立つ
レバーは、皮膚や被毛の健康維持に役立つ食材です。
皮膚や被毛は、ビタミンAや亜鉛、鉄分などの栄養素によって正常な状態が保たれていますが、これらが不足すると乾燥やフケ、毛艶の低下などが起こりやすくなります。
老犬では、栄養の吸収力の低下はもちろん、加齢によるターンオーバーの乱れや免疫力の低下などでより皮膚トラブルを起こしやすくなるため、こうした栄養素がまとめて補えるのはメリットと言えるでしょう。
⑥食欲が低下したときでも食べてくれやすい
レバーは香りが強く嗜好性が高いため、食欲が落ちている老犬でも比較的食べてくれやすいでしょう。
犬は嗅覚を頼りに食べ物を判断しますが、加齢によって嗅覚や味覚が衰え、食事への関心が薄れてしまうことも珍しくありません。
レバーの強い香りは、老犬にとって刺激になりやすく、食べるきっかけをつくりやすくなります。
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老犬が1日に食べていいレバーの量
基本的には、老犬が1日に食べてもいいおやつやトッピングの量は、その犬が1日に必要なエネルギー量の10%程度です。
しかし、レバーはビタミンAを多く含むため、カロリー計算通りに与えてしまうことはおすすめできません。
以下を目安に、愛犬の体調や便の状態に合わせて調整してあげてくださいね。
| 体重 | 1日の目安量 |
| 超小型犬(体重4kg未満) | 5g |
| 小型犬(体重4~10kg未満) | 10g |
| 中型犬(体重10~25kg未満) | 15g |
| 大型犬(体重25kg以上) | 20g~ |
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老犬にレバーを与えるときの注意点
レバーは老犬にとってもメリットがある食材ですが、与えるときは注意してあげたいこともあります。
ここでは、老犬にレバーを与えるときの注意点を見ていきましょう。
初めて与えるときは少量から試す
初めて食べさせる場合は、食物アレルギーのことも考え、少量で試して食べた後は体調に変化がないか様子を見てあげることが大切です。
もしレバーに食物アレルギーがあった場合は、食べてから30分〜48時間程度で以下のような症状が現れます。
- 目や口、耳周りのかゆみ
- わきの下やお腹、肛門周囲の赤みやかゆみ
- 執拗に足先を舐めたりかじったりする
- 下痢や軟便
- 便の回数が増える
- 嘔吐 など
もちろん、症状の現れ方は個体差がありますが、上記の中の1つでもあてはまる場合は、獣医師にご相談ください。
(当てはまらない場合でも、いつもと様子が違うと思ったら獣医師へご相談ください)
特に老犬は、免疫力の低下や腸内環境の乱れから食物アレルギーを発症しやすくなるため、よく観察してあげましょう。
与えすぎない
レバーはビタミンAが豊富なため、与えすぎないようにすることが大切です。
ビタミンAは健康維持に欠かせない栄養素ですが、普段のドッグフードにも含まれています。
脂溶性ビタミンは尿と一緒に排出されにくく、体に蓄積されやすいため、継続的に大量に与えるとビタミンA過剰症を引き起こす可能性が高まります。
レバーに限りませんが、どんなに体に良いとされるものでも与えすぎは体調不良の原因となるため、適量にとどめてあげてくださいね。
鮮度に注意する
生のレバーは特に傷みやすいため、購入後はすぐに調理して与えましょう。
レバーが傷む(腐る)と、食中毒菌が繁殖したりヒスタミンが発生したりします。
たとえしっかり加熱しても、傷んだ段階で発生した毒性や毒素は消えません。
老犬では命に関わる事態となることもあるため、傷んだレバーは絶対に与えないようにしてください。
【与えてはいけないレバーの特徴】
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少しでも違和感があれば、迷わずに捨てることをおすすめします。
冷凍する場合は下処理をしてから
生のレバーの賞味期限は、冷蔵で1〜2日ほどしかないため、冷凍することもあるでしょう。その場合は、下処理をしてから冷凍してください。
下処理せずに冷凍すると、解凍した瞬間に一気に劣化が進み、食中毒のリスクが倍増します。
【レバーの下処理の方法】
- 血の塊や白い筋、脂肪などを取り除き、使いやすいサイズにカットしておく
- 軽く洗った後、ボウルに入れて30分ほど流水をあてて血抜きする
- キッチンペーパーで水気を取る
- レバーが重ならないように保存袋に入れて冷凍する
冷凍したレバーは、2〜3週間を目安に使い切るようにしましょう。
必ず加熱する
鮮度に関わらず、生のレバーには、カンピロバクターやサルモネラ、大腸菌などの病原菌やウイルス、寄生虫がついている可能性があるため、必ず加熱しましょう。
中心部を75℃で1分間以上加熱すると食中毒菌は死滅します。
中まで火が通るよう、しっかりと加熱することが大切です。
持病がある老犬は必ず獣医師に確認する
レバーにはさまざまな栄養素が豊富に含まれているため、持病がある老犬は獣医師に確認してから与えましょう。
病気の種類や状態によっては、栄養素の制限が必要になることもあります。
まとめ
レバーは、基本的には老犬が食べても問題ありません。
老犬にとって嬉しいメリットがたくさんあり、健康維持に役立てることができます。
ただし、与えすぎは老犬の体の負担となってしまうため、適量にとどめておくことが大切です。
また、与えるときは、鮮度の良いものを必ず加熱してから食べさせてあげましょう。
レバーは喜んで食べてくれる老犬も多いので、上手に活用してみてくださいね。
※体調や体質に不安がある場合は、必ず事前に動物病院にご相談ください
